一般来場者数300万人突破・万博会場でナショナルデー(2) テーマは「永遠」2千年前の石など展示/イスラエル
大阪・関西万博で4月23日、イスラエル・パビリオンの開館式が開催された。開館式にはイスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使をはじめ大阪市の横山英幸市長、大阪府の渡邉繁樹副知事、2025年日本国際博覧会政府代表の羽田浩二氏ら100人以上が参加した。
イスラエルは、共同パビリオン「コモンズC」にブース型のパビリオンを設置する。テーマは「Forever(永遠に)」で、約2千年前のハスモン朝初期にエルサレムで用いられた、世界の考古学的にも貴重な重さ約1・5㌧の建築石などを展示。この石は今回の万博のためにイスラエルから日本へ特別に空輸されたといい、聖書の一節が石に投影され、来場者はその石に触れることもできる。

パビリオンに展示されている約2千年前の建設石
また、ユダヤ教の伝統にのっとり「メズーザー」の取り付け儀式をコーヘン大使が行った。メズーザーは、ユダヤ教の聖典『トーラー』の一節が記された小さな巻物を収めた専用のケースを建物の出入口の柱に設置するもので、新たな空間を神聖なものとして祝福し幸運と成功を祈念する意味が込められている。
コーヘン駐日大使は「イスラエルは日本と同様、豊かな歴史からインスピレーションを受けて未来に向けて大胆かつ革新的なビジョンを描いている。困難な状況下にある今、我々がこの万博に参加することは、誇りある意思表示でもある。このパビリオンはコンパクトな設計でありながら、魂と創造性、深い意味も込められている」などとあいさつ。また、今の情勢をかえりみて一度は不参加を検討しながらも諦めずに参加したこと、戦時中に多くのユダヤ系避難民を救った杉原千畝氏のエピソード、また現在運航中のエルアル航空の日本―イスラエル直行便が好調なことなどを披露し、日本との長年にわたる良好な関係をアピールしていた。さらに、5年後の2030年にサウジアラビアで開催予定の万博についても「大きなパビリオンの出展を計画している」とも語っていた。

開館式のテープカット
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大阪・関西万博の会場で5月15日、「イスラエル・ナショナルデー」が開かれ、イスラエルのギデオン・サアル外務大臣、松本尚・外務大臣政務官らが出席した。
万博会場内のEXPOナショナルデーホール(レイガーデン)で行われた式典では、日本とイスラエルの国旗が掲揚され、国歌「ハティクヴァ」の斉唱が行われた。サアル外相は「我々は国難の時であるものの、世界にイスラエルを紹介する選択をしました。パビリオンの展示は、イスラエルと日本の間に築かれた深い友情を象徴するもので、両国が直面する共通の課題や脅威、また、90社を超える日本企業が我が国に進出して科学や文化、観光などで交流しており、エルアル航空の日本―イスラエル直行便は両国の絆を深める存在です」などとあいさつした。
また、イスラエルのバンド「マラビ・トロピカル」によるライブ「イスラエル音楽の革新への旅」もあった。
なお、イスラエル・パビリオンは万博開幕から1カ月で来場者数が約27万人に達したことを明らかにした。
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