学生の目、声を活用(2) 若狭三方五湖観光協会
福井県・若狭三方五湖観光協会は今夏、首都圏や関西の女子大学生を対象に、若狭町の民宿で女将業を体験する「若女将インターン」を実施する。おもてなしを学ぶだけでなく、情報発信や集客案の考案にも取り組むなど同町の観光振興に"女子力"をぶつける。
"若女将"インターン 女子大生が民宿業体験
漁業と観光業が主要産業である同町には、漁村を中心に約100軒の民宿が点在する。「若女将インターン」は小さな宿ならではの人情やおもてなしを学ぶことや、地方での生活を通して"女子力"や社会人としてのスキルアップを図ってもらおうと企画。加えて、SNSを通じた同町観光の情報発信や、インターンの成果として観光・民宿の改善案や集客案を提案してもらうことで同町の観光振興にもつなげようという意向だ。実際に同町の観光に親しんだうえでの女性目線のアイデアを期待する。
昨年は5人の大学生を招いて試験的に実施。今年から本格的にスタートするために、参加者の感想をもとに内容を検討してきた。
今年の日程は7月2日に事前研修が始まっており、8月5日まで各自のSNSで情報を発信。実地研修は同6―17日で、常神半島の常神、神子地区の民宿で受け入れる。朝食や夕食の準備・片づけなど民宿の仕事全般に従事しながら、情報発信やグループワークも行う予定だという。海水浴や定置網漁の見学、住民へのヒアリングなど同町に親しむプログラムもあるそうだ。最終日には観光・民宿の改善案や集客案を発表する。
7月1日には現地で面接を行い、応募者15人全員を採用。定員は10人だったが、「皆さんしっかりした方ばかりでしたので全員合格でした」(事業を支援するNPO法人ふるさと回帰支援センターの藤本佳志さん)。インターン生は大半が大学生で、東京都のほか関東各県、京都府や鳥取県などからも参加する。
インターン生たちは「将来のために接客業が学びたい」「お客様とのあたたかい交流という若狭町の民宿ならではの体験がしたい」「日本のこと、福井のことをもっと知り、多くの人に伝えたい」と強い意欲を持って"若女将体験"に臨む。
若狭町役場から同センターに出向している藤本さんは「民宿で、しかも集客案の提案を含めたインターンは全国でもあまりないのでは。インターン生は皆さん強い思いを持って参加しています。多くの人に彼女たちのことを知ってもらえれば」と話している。
「若女将インターン」フェイスブックページのURLは、http://www.facebook.com/wakasaokami。