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「るるぶ」創刊30周年 旅への役割を聞く(2)

今年で発刊30年目を迎えた「るるぶ情報版」。10月25日号に続き、JTBパブリッシング出版事業本部国内情報部長の宇佐美睦さんにお話を聞いた。

"面"の表現で迷わせず

―30年の間に掲載する情報にはどのような変化がありましたか。

宇佐美 「るるぶ」の使命は誰にとっても分かりやすく、かつ実用的であることです。それは30年前から変わらないし、10年後も変わりません。時代の流行り廃りはあっても、編集の基本コンセプトはそこにあります。その上で、その時代の実用性は何かという観点で編集をしています。

それから一番意識しているのはガイド性です。紙媒体の必要性や強みは「一覧性」という部分にあると思っています。1つの店、施設、場所であればインターネットで検索できますが、たくさんの店を線で結びつけたり、面で表現することができるのが紙の優位性だと思っています。その土地に初めて行く人が迷わなくて、楽しい旅行をしてもらうのが、「るるぶ」が目指していることです。

―一方で住んでいる人を対象にしたエリア特集もありますね。

宇佐美 2003年に「るるぶ練馬区」を発行しました。これは練馬区民の人がたくさん買ってくれました。ちょっとしたお出かけ感覚で周辺をもっと楽しみたいというニーズがあったのかと思います。

こうした「るるぶ地方自治体版」は練馬区以降、少しずつ増えています。大阪では堺市、東大阪市版があります。

神奈川県の相模原市版は政令指定都市になったときに、自治体側から話をいただきました。市町村が合併するけど、合併する相手の市町村のことをよく知らない住民がいる。これを知ってもらおうという行政側のニーズや、知りたいという住民のニーズがあるようです。

―るるぶ大学版もあるそうですね。

宇佐美 2010年から「るるぶ特別編集 大学版」として、実践女子大学や法政大学、明星大学や梅花女子大学版など、これまでに7大学版を発行しています。ただ、これらは市販はしていません。我々のビジネスでいえば地域ソリューションという分野です。情報の発信の仕方に悩んでいる自治体や大学に「るるぶ」が特別編集という形で携わり本にしているものです。受験生に配ったり、学生の親に配ったり、周辺の施設に配るなどです。

「るるぶ」創刊30周年 旅への役割を聞く(3)に続く

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