双方向で700万人実現へ-日韓観光関係者一堂に東京でシンポ(2)
日韓相互交流700万人への課題として両国の共通認識の1つが地方観光や地方間観光拡大の必要性。シンポジウムでは1994年から20年にわたって相互交流を続けている鳥取県と韓国の江原道の両知事が講演。また、日本旅行業協会(JATA)の田川博己会長とKATAの梁会長らによるパネルディスカッションが行われた。
極東一帯をネット 地方観光の段階へ
講演で両知事が指摘したのは、日韓観光交流拡大に必要な世界的な視点と、両国観光の「国内旅行化」的な捉え方。いずれも国境を超えた交流から得た観光に対するスタンスだ。
「2つのオリンピック開催で今後10年間、世界の目が極東に向く。観光振興で極東が一緒に取り組むことが大きな戦略になる」(平井伸治・鳥取県知事)、「韓日だけではなく、中国、ロシアも含めたネットワークを持つことが、エリアとして国際的な競争力を持つことにつながる」(崔文洵・江原道知事)。
さらに平井知事は「鳥取と韓国は飛行機で1時間の距離。20年の交流で相互理解が進んだ。意識のうえでは国境はすでにない。両国は国内旅行のように観光できると思う」、崔知事も「両国が冷え込んでも、両県(道)は親しい。政治的対立の影響を受けない、両国往来の拡大が望ましい」。
パネルディスカッションでは田川・JATA会長が2015年を契機とした日韓観光交流のステップアップに意欲を示した。
「これまで韓国への送客はソウルを中心に量を求めてきた。いよいよ地方観光のタイミングに来たのではないか。次のステップに進もう。旅行会社として地方の商品づくりに力を発揮したい」
梁会長は「韓国から日本へは空路が充実しているし、訪日旅行者も回復基調で心配していません。課題は日本から韓国の地方への空路は少ないことです。韓国の地方は日本の167の地方と姉妹都市を結んでいます。地方路線の拡大においても、こうした交流が近道だと思っています」などと話した。
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