ジュラチック王国福井 県が進める恐竜ブランド戦略
福井県のマスコットキャラクターが増殖している。恐竜の化石発掘が相次ぎ恐竜王国を標ぼうする県が昨年2月に3体を誕生させて1年。北陸新幹線金沢開業で注目を集める北陸で、際立った戦略を描く。
熊本県のくまモン、群馬県のぐんまちゃんなど他県がご当地キャラで先行する中、福井県は昨年にようやく統一キャラクターを発表した。キャラクターたちが住む世界を架空の「ジュラチック王国」とし、県と姉妹協定を締結したという設定でPRを展開してきた。
キャラクターは、福井県内で化石が発見されたフクイラプトルなどの恐竜がモチーフ。日清チキンラーメンの「ひよこちゃん」などをデザインした中野シロウさんが、県担当者の熱意に応じ制作した。
県ブランド営業課が描いた戦略は、恐竜=福井の徹底。ジュラチック王国は福井県と瓜二つという設定なので、県内の全23市町にもそれぞれの地域特性に合ったキャラクターを登場させた。例えば眼鏡フレームの生産地・鯖江市はメガネがかけやすい「ブラキオ」、小浜市は蘇洞門の形状をイメージさせるステゴサウルスの「ステゴン」といった具合。
さらに県内企業にもキャラクターの採用を促し、今や菓子や衣料など76種類200アイテムのグッズが売り出され、お土産としても人気を集めだしている。
同課の土橋彰課長は「1周遅れの一点突破。1年目は県内の盛り上げにも力を入れました。今年はグランクラスではなく、普通車のファミリーねらいでいきます!」。