ファミリーへクルーズ需要拡大 JTB、フェア開き"挑戦"
JTBが11月3―23日、東京、神戸、福岡、名古屋の4都市で開いた体験型イベント「クルーズフェア2015」。週末のショッピングセンターでファミリー層などにクルーズ旅行の魅力を訴求したものだが、これはグループが取り組む「クルーズ旅行の需要拡大」への挑戦となる企画だった。
敷居下げ"自分ゴト化"を提案
フェアの開催は今回が初めて。日本初登場となるバーチャルリアリティ(VR)映像によるクルーズ旅行体験や、子どもたちが船長のジャケットを着ての記念撮影、ステージイベントなどクルーズの雰囲気を気軽に体験できるコーナーを設け、ファミリーなどクルーズに縁遠かった層にクルーズを自分ゴト化してもらおうと企画した。
高額なイメージが強いクルーズ旅行だが、今回のフェアはこの「高額」という高い敷居を下げようという挑戦の意味を持つ。昨今はプリンセス・クルーズなど比較的安価で利用できる旅が登場しており、今回は現在の富裕層を中心とした客層だけでなく、ファミリーなど将来の顧客となりうる層へのアピールで幅広くクルーズ需要を開拓しようという試みだ。実際に同社では2014年12月に「JTBクルーズ事業部」という専門部署を設置、16年の販売目標を前年比12%増の136億円に設定するなどクルーズ分野の拡大に本腰を入れており、今回のフェアはその一環となる。
JTB西日本広報室の山下真裕美室長はクルーズ分野について「クルーズはウエディングのように店舗に来ていただくことが販売の前提になるので店舗価値向上につながる分野として重要視しています」。フェアについては「今回は販売目的でなく、クルーズはファミリーでも利用しやすいというイメージを持ってもらおうという啓蒙活動。イメージさえ変革できれば需要は開拓できると確信しています」と話す。
7日に神戸市中央区の神戸ハーバーランドで開いた神戸会場では、子どもたちがVRクルーズ体験や記念撮影を楽しむ姿が見られ、多くの家族連れで賑わっていた。