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日本の美を究極に表現するオペラ「夕鶴」大阪公演 佐藤しのぶさんが意気込み(2)

―「夕鶴」のストーリーは、鶴が助けてもらった恩返しに自分の羽で布を織る。しかし、その姿を決してみてはいけないと約束したにもかかわらず、見てしまった。その瞬間別れがやってくる・・・。人としての「愛」や「欲望」というさまざまな感情が交錯する複雑な心の動きが見え隠れします。

「心の動き、魂を表現し、感動を伝える」

「今回は人間が持つ普遍的なものに挑む、という感じでしょうか。人は愛がないと生きていけない。なのだが、そこには欲望とのせめぎあいがある。純粋に愛だけを追及しきれない・・・。その葛藤というか人の心の動きをいかに表現するかです。つうは人間ではありません。天界からやっていて妖精みたいな存在で、人からは人間に見えるだけなのです。最後に天に戻っていく時は本当にすみきった純化した存在になっていく・・・。どんな時でもつうは愛を与えるのです。そのやさしさ、いつくしみ、大きな許容量をもつ人間ではない、天界からきた存在だからこそ与える愛の大きさがあります。日本ならではことで、エゴイズムがありません。外国のヒロインとの違いはその点だといえるでしょう」

「愛に満ちた存在をできるだけ俗物的なものをそぎ落とし、純粋な気持ち、魂というのか、それだけに絞り込んでいきました。舞台の上の家には壁も釜もない。着物もきていない。心の動き、魂を表現し、感動を伝えられるのか...ということですね」

佐藤しのぶさん

「ぜひ会場へ」

―すべてを絞り込んで、削りを落として、シンプルな演出と構成だからこそ、人に訴えることができるといえるのだろう。人がもちえる能力をすべて駆使して気持ちを伝えていかねばならいのである。だからそこに感動を覚えるのでしょう。

「ものすごく稽古しました。厳しかったですよ。その分、本当に見ていただきたいです。オペラはすべて人です。マイクを通さず、人の生の声で人の心を歌いあげる。西洋文化の集大成といえる芸術作品です。オペラを聴いたことがない方々にぜひ会場に来てほしい」

チケットは3月2日まで予約を受け付けている。心の躍動をぜひ、オペラで。詳しくはhttp://www.ktv.jp/event/yu-zuru/index.htmlへ。

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