日本版DMO、課題は「財源」と「人材」 日観協が調査(1)
観光地域づくりの舵取り役として期待される組織「日本版DMO」。観光庁が2015年11月に開始した候補法人登録制度には現在、全国から145法人が登録されている。登録された候補法人の現状はどのようになっているのか。日本観光振興協会が候補法人を対象に実施したアンケート調査から浮かび上がった課題は「財源」と「人材」だった。
調査は3月に行い、候補法人97団体が回答した。同協会ではDMOへの支援事業を展開しており、調査もその一環。
まず候補法人登録前の事前準備について。事前説明の実施は地元自治体や観光協会には55%が行っていたが、県内の主要観光事業者などに対しては28%に留まっており、地元全体でのコンセンサスが取れてのスタートとは言い難い。部門責任者など人材確保は21%、マーケティング戦略策定のためのデータ収集は15%のみで、人材面、戦略面についても「見切り発車」が実情のようだ。
法人を運営して大変なこと、重要課題と思うものは何か。重要度順に3項目回答する方式で、1番目に重要と回答したのは「安定的な組織運営のための財源確保」がトップ。次いで「事業運営費の確保」であり、やはり財源が現実的な課題のようだ。
3位となった「専従人員や外部組織による人的協力体制の確保」は2、3番目の重要回答としても高く、その次に回答が多かった「組織間の事業整理・役割分担」「事業実施に対する事業者や地域内の協力」も加えると、人材・組織面の課題も大きいといえる。
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