日本版DMO、課題は「財源」と「人材」 日観協が調査(2)
では、実際のDMOの事業全般についてはどうか。DMO登録前に実施していた事業について「見直した」が33%に対し、「見直していない」が42%と従前と変わらない運営を行うところが意外にも多い。
継続事業は「観光情報媒体作成」「関係主体間の調整」「国内セールス」「資金調達」など。
一方で新規事業は「マーケティング・各種調査」「政策提言・戦略立案」「旅行商品企画」などが上位となっている。課題となる財源確保へは75%が収益事業の展開を検討していると回答し、着地型旅行商品や特産品などの販売のほか、予約サイトの運営や宿泊施設の管理・運営も視野に入れている。
もう1つの大きな課題「人材」については、不足している人材の分野は全体で「データ収集」の59%がトップ。なかでも複数県にまたがる「広域連携DMO」法人はすべての法人が不足と回答した。続いて「人材育成」48%、「財務・経営分析」40%。組織を支える3部門の人材不足は今後の展開に不安を残す。
人材育成の取り組みは「研修・セミナー開催・参加支援」、「講演会開催」が高く、視察研修や実地研修、教材開発といった細かいところまでは至っていない。そのため、同協会の人材育成支援に「講師の紹介・派遣」「教材開発」「研修の共同開催」などに期待する声が大きいようだ。
人材育成への重要課題は「戦略策定やDMO活動をリードする組織の中核人材の不足」「専門知識を持ち責任者として事業を行う専門人材の不足」「事業を実施するスタッフの不足」の順で、リーダーからスタッフまでとにかく人が足りていない傾向が強い。
同協会では、調査結果を踏まえ、6月9日にDMOとDMO支援ツールを持つ企業のマッチングイベントを開催したほか、人材育成を中心に今後も支援事業を展開していくという。
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