中国四川省へツアー造成を 世界遺産とパンダ生息地、三国志ファンの聖地(2)
「峨眉山と楽山大仏風景区」の峨眉山は、古くから道教や中国仏教の聖地。中国三大霊山および中国四大仏教名山の一つとされ、山中には万年寺、報国寺など多数の寺院がある。加えて宗教的観点だけではなく、樹齢1千年を超す樹木など約3千種の植物が自生し、絶滅危惧種を含む2千種の動物が生息するなど自然的な観点での世界遺産としても評価されている。山名の名前は、標高3099メートルで最も高い万仏頂の形が少女の眉のように見えるため峨眉山と呼ばれるようになったという。
楽山大仏は、奈良の大仏の3倍はあるという高さ71メートルで、世界最大の磨崖仏。現在は、むき出しになっているが完成当初は建物の中に入り、金箔と彩色が施されていたという。
青城山と都江堰は、中国道教発祥地の青城山と水利・灌漑施設である都江堰からなる。古刹の青城山は周りを峰々に囲まれ、1年を通して緑豊かな巨樹が山道の両側にそびえる。都江堰は紀元前256年に作られた灌漑施設。古代から現在まで使われており「世界水利文化の祖先」と讃えられている。
また四川省は、三国志で知られる諸葛亮孔明や劉備玄徳率いる蜀が国を築いた地として有名。三国志ファンにとって四川省は聖地だという。関羽、張飛、趙雲をはじめとする蜀の武将や文官らの像が勢ぞろいする中国最大の三国遺跡博物館「成都武候祀」。夷陵の戦いで呉に破れて逃れた劉備が後事を孔明に託して没した白帝城、張飛が駐屯していたロウ中、張飛と馬超が一騎打ちを行った昭化古城などがある。
世界遺産など自然や文化だけではなく、激辛が癖になるという四川料理の本場。食に関しても十分満足できる。
成都ではこのほど、中国が主導する世界的な観光業の組織、世界観光連盟(WTA)が発足。「観光で世界をよりよくする」を理念とし、世界的な連携で観光による経済復興などを実現することを目的としている。ちょうどこのタイミングで、四川省において発足式が開かれたことは意義深い。
中国国家観光局駐大阪代表処の劉海生首席代表の「四川省観光全体に地震による大きな影響はありません。見どころがたくさんある四川省をぜひ訪れてください」という呼びかけに日本の観光業が応えたい。
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