市場規模縮小に歯止め じゃらん宿泊旅行調査(1) 実施率、費用など軒並み増
リクルートライフスタイル・じゃらんリサーチセンター(沢登次彦センター長)はこのほど、「じゃらん宿泊旅行調査2018」の結果を発表した。17年度(17年4月―18年3月)1年間に宿泊旅行を行った人の割合を示す宿泊旅行実施率は前年度比0・8ポイント増の55.6%で、調査開始以来最低を記録した昨年から下げ止まった。延べ宿泊数は同1.3%増の2億5646万人泊、宿泊旅行費用総額も同6.3%増の7兆5352億円と反転攻勢。近年続いた市場規模の縮小に歯止めがかかった格好だ。
実宿泊旅行者数は同1.1%増の5244万人、延べ宿泊旅行者数は同1.4%増の1億4556万人回に。旅行実施者の年間平均旅行回数は同0.01回増の2.78回と微増、宿泊旅行1回あたりの平均宿泊数は前年並みの1.76泊で高止まりの印象。旅行人数の増加と旅行日数の長期化で旅行市場としては喜ばしい一年といえる。
宿泊旅行実施率を性・年代別にみると、50―79歳男性を除くすべての層で前年を上回った。前年はすべての層が下落した反動か。トップは20―34歳女性の60.5%。20―34歳男性の3.1ポイント増が目立ち、国をはじめとする旅行需要の喚起策や“インスタ映え”などの効果もあるのか、若者の旅行離れにも歯止めがかかったようだ。
宿泊旅行費用総額の増加は、交通費、宿泊費、現地小遣いいずれもが増加したことから。1回の旅行でかかった1人あたりの費用は5万1600円で、個人旅行、パック旅行いずれもが増加。特にパック旅行は前年から6800円増加の7万3千円と高級化が進んでいることがうかがえる。
同行者は1位が25.7%の「夫婦2人」、2位が17.2%の「一人旅」でいずれもほぼ前年並み。「友人との旅行」が減少を続けているのが目立つ程度で、構成に大きな変化はない。
都道府県別の延べ宿泊旅行者数は、1位東京都の1541万人に続き、2位北海道が1066万人と1千万人超え。次いで3位に大阪府が順位を上げ、4位静岡県、5位神奈川県。6位長野県、7位京都府、8位千葉県は前年同様の順位で、9位に沖縄県がトップ10入り。10位福岡県は変わらず。千葉県を除くトップ10全県が前年の旅行者数を上回った。
増加率1位は沖縄県で20.3%増。2位奈良県、3位福島県と続く。
調査は4月に2回実施。2次調査の有効回答数は1万5627件。
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