観光に続け、物的交流も促進 台湾貿易センター、「エクセレンス」製品を日本市場に訴求
双方向での観光客の往来が盛んな日本と台湾。人的交流が進む中、両国の関係をより強固なものにしようと、物的交流の促進も期待される。台湾貿易センター(TAITRA)は今夏、東京と大阪で、台湾のブランド製品に贈られる「台湾エクセレンス」受賞製品の展示イベントを開催。日本市場に台湾の開発技術の高さをアピールした。
台湾エクセレンスは、日本の経済産業省にあたる中華民国経済部が優れた製品に贈る賞で、日本の「グッドデザイン賞」のようなもの。高い技術力を評価する色合いが濃く、製品の市場開拓を図ろうと毎年世界各国で展示イベントを開催、今年も世界33都市で開く。
日本では7月に東京で展示会、8月30日には大阪市北区のインターコンチネンタルホテル大阪で製品の発表会・商談会を開いた。
大阪の発表会には日本のバイヤーら約40社が出席。製品分野を「医療・ヘルスケア」に絞り、受賞企業5社が製品の特性や日本市場での戦略などを紹介した。
TAITRA戦略マーケティング所の吳致儀組長はあいさつで「昨年、日本から台湾へ190万人、台湾から日本へ450万人の観光客が行き来し、貿易も665億米ドルと好調な中、医療製品は6千万ドル、前年比11.5%の成長が見られました。研究開発力が高く、競争力には自信があります。日本市場に観光などソフト面以外にもハード面も提案していきたい」と意欲を語った。
出展したのは、アドバンテックの手術映像ストリーミング、デルタ電子の実験動物用高性能X線マイクロCT装置、WincommジャパンのフルHD医療用パネルPC、iXensorのスマート排卵検査システム、BAUiの最小侵襲脊椎固定システム。いずれも最先端の技術を駆使し、今後の成長が見込まれる分野の製品で、商談会では各社のブースにバイヤーが列を作り、熱心に商談が行われていた。
デルタ電子は医療分野には昨年から本格参入。土屋裕国ヘルスデバイスチームリーダーは、日本市場開拓の課題について「ブランドイメージや品質などに求めるレベルがかなり高い。クリアするのに時間がかかる課題ばかりなので長い目でみています」と話す。
吳組長も同様の見方。「日本企業との関係を築くには、確かに段階を踏む必要があり、時間がかかります。ですが、一度付き合いが始まれば、長い付き合いができるのが日本市場の魅力です。時間がかかっても、まず友人関係から一歩ずつ進み、台湾製品を日本に紹介してきたい」と展望を示す。
そして、「日本から台湾への観光客が増えているように、グルメ、風景に加え、人の親切心が日本人の心をつかんでいます。この流れを物的交流につなげたい」と笑顔で話していた。
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