石巻南浜復興祈念公園こころの森に樹を植えに行きませんか あい☆えがお代表・山本えりさん/特別寄稿
2011年3月11日、津波で約400人の命が奪われた石巻市南浜地区。13年に石巻、女川など被災地を巡った時、沿岸部は走っても走っても津波で流された荒野が延々と続き、被害の深刻さを感じました。17年3月に再び伺った時、日和山や南浜の震災伝承グループ「みらいサポート石巻」にご案内いただきました。
そして、ここが地震のあと津波に襲われ3日3晩燃え続け、甚大な被害があった場所であり、目の前の山の中腹に見える囲いで包まれた黒っぽい建物が11年大晦日の紅白歌合戦で、長渕剛さんがロウソクの火を灯し熱唱されていた門脇小学校の廃墟だと知りました。
南浜地区・門脇地区は今、整地された土地が広がっています。ここに人々の日常があったと想像することは難しかったけれど、1700世帯約3千人の方々がいたことは震災前の写真や生き残った方々のメッセージで知ることができました。
「南浜地区は地震で地盤沈下し、塩害被害もひどく住宅区域としては使えません。この町に住んでいた方、ここで家族・親族・友人知人を亡くされた方、日和山から見える町の風景を愛していた方にとって、この荒野は悲しみと痛みしかありません。それで、緑の公園にするプロジェクトが進み始めました」
こうして「石巻南浜復興祈念公園 こころの森プロジェクト」として、手づくりの森づくりは始まりました。
日和山に逃げることができた人たちは、目の前で逆巻く津波に、町が、車が、友人がのみ込まれていった記憶に苦しんでいます。その苦しみや痛みを緑豊かな森で少しでも癒すことができます。森は防波堤にもなり、コンクリートの壁のように街と海を切り離すのではなく、街も海も大切に守っていけると思うのです。皆の力が集まれば「心の森」ができ、人々が優しい気持ちで集える追悼の場所になります。
植えているのは、根をしっかり張るナラやカシなど広葉樹を中心に、地元の里山でどんぐりを集め種から育てた苗木です。地域の高齢者、被災者、サポーターの方々が10年で15万本の植樹をしながら、木々を育て、循環する森づくりをしていこうとなさっています。
17年9月に初めて開いた植樹祭で3千本を植樹し、森づくりのスタートを切ることができ、秋からは来場者をおもてなしする花畑づくりも始まりました。けれど、経済的には困難な状況です。18年にクラウドファンディングに申し込みましたが目標を達成できずに終わりました。
そこで17年9月、被災地の今とこのプロジェクトを伝えるために、全国の仲間を当地にご案内しました。その後、参加者のおひとりが18年3月11日に東京で被災地支援のための講演会を主催し、4月末に集まった義援金を持って「こころの森」で植樹をしてくださいました。被災地に行くこと、それだけで復興支援になります。意識が変わります。
1本500円で苗木を植樹して、自分の手で未来の森を創っていきませんか? 全国の皆さん「こころの森」へ一緒に樹を植えに行きましょう。19年7月29―31日に一般社団法人シンギング・リン協会主催の植樹の旅が決まっています。
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