メガディザスター(大規模災害)に備える セイノーメンテック、防災・減災への取り組み(1) 非常用発電設備は大丈夫?/短期集中連載
昨年6月、消防法施行令で「自家発電設備(非常用発電設備)の点検方法」が改正された。旅館ホテルにとっても非常用発電設備は、法定設置が義務づけられている大規模施設はもちろん、自主的に設置している施設も少なくない。全道が“ブラックアウト”化した昨年の北海道胆振東部地震の記憶も新しく大規模自然災害が相次ぐ中、万一の備えである非常用発電設備の点検は怠れない。
実際2011年の東日本大震災では、対象となる4811台の非常用発電設備の5%にあたる233台が不始動または稼働を停止し、そのうち23台はメンテナンス不足が原因だった。スプリンクラーや屋内消火栓など人命に関わる設備に、電源が供給されなかったものと考えられる。
そこで今回の改正のポイントは、メンテナンス不足を解消することが目的の一つ。従来、商用電源を停電させなければ実負荷による点検ができないケースなどに対応、点検方法のあり方を科学的に検証し改正した。具体的には大きく4つ。
(1)総合点検における運転性能の確認方法が負荷運転のみから「負荷運転または内部観察等」に(2)負荷運転の実施周期が1年に1回から「運転性能の維持に係る予防的な保全策が講じられている場合は6年に1回」に(3)負荷運転が必要な自家発電設備についてはすべて負荷運転が必要から「原動機にガスタービンを用いる自家発電設備の負荷運転は不要」に(4)換気性能の点検は負荷運転時に実施から「無負荷運転時に実施」に、それぞれ改められた。
これら、消防法施行令の改正に伴う点検方法および改善に対応しているのが、セイノーメンテック(本社・東京都)。2万7千台のトラック整備などで蓄えたノウハウを活用し、非常用発電設備の整備・点検を高品質、低価格で提供している。発電機のメーカーを問わず全国を網羅している。次回は、すでに全国の宿泊施設で点検業務の実績がある同社の具体的な取り組みを紹介する。(続く)
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