ツーリズムを通じた地域活性化 世界観光大臣会議(2)/ツーリズムEXPO
ツーリズムは「持続的な幸福実現の手段」
ブータンには「国民総幸福量」という理念があり、幸福の追求はGDPの追求より大切と考えられている。観光は、持続的に幸福を実現するための手段で「観光の価値は量ではない」という考えを示した。
カンボジアではエコツーリズムの進展に各省が協力、官民連携で地域社会を成長させるという「コミュニティベースの観光」が指針。ミャンマーも130超の民族文化を体験してもらうなどコミュニティベースの観光の実現に取り組み、モンゴルでも観光による地方の若者の雇用増など「コミュニティとして満足感を得ることを大事している」とするなど、観光による地域活性化へのキーワードは「コミュニティ」にあるようだ。
一方で、フランスは「長く滞在してもらうことに注力」、イタリアは「オーバーツーリズムで地域の生活を損なわないよう価値の成長に取り組む」、スイスは「季節性と低賃金の問題への対応」など、欧州をはじめとした観光先進国では一歩先に進んだ現実的な課題への対応が目立つ。
田端長官は「観光は地域活性化の柱。地方へ多くの人に訪れてもらうことに重点を置くが、持続可能は日本でも課題。DMOや指標の測定などに取り組み、進展を図っている」などと発言した。
最後にアニータさんは、各国の意見を聞いて「共通のビジョンを持つことが大切。簡単ではないが、地域の人が幸せのために観光に参加しないといけない」と話した。
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