効率が悪い、不便が観光 “世界のANDO”愛ある毒舌講演/ツーリズムEXPO
ツーリズムEXPOジャパン2019大阪・関西の基調講演に登壇したのは、建築家の安藤忠雄さん。世界各国で建造物を手掛けてきた経験から感じる「観光と日本」とは—。
「観光は好奇心と体力とリンクします。そもそも人と人が関わるもの。こんなところに座っている場合ではありませんよ」と、まずは出席者に対してひとくさり。
都市のあり方を考えると、「観光は効率の悪いものがよくなると思います。不便だから観光だ」と話す。その観点から日本を見ると「古いものは二度とできないから大切にすべきなのに、日本は全部壊してしまう。利益のために壊す。人の幸せがあってこその観光なのに…」と、もうひとくさり。
さらに「自然も壊すし、古いものは寺しかない。これでは観光できませんよ。観光立国言うてるけど…」と、とことん日本をこきおろす。でも、「ずれてるのが日本のいいところなんですけどね」とフォローで笑いを誘う。
結論はやはり「そこにしかないもの、今までしたことがないこと。これが観光」。この考えをベースに、「金儲けじゃない地球のことを考えたまちづくり」を提唱し、子どもたちの教育にも注力する例を示し、講演を締めた。
関西弁でまくしたてる“世界のANDO”の愛ある毒舌に、同時通訳を介しての聴講だった各国の観光首脳たちも大爆笑だった。
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