非日常な時を過ごす—大阪最古の洋風建築「旧桜宮公会堂」 婚礼から一般宴会、会議も
リノベで蘇る名建築 旅行会社に手数料設定も
大阪市の中心部を流れる大川畔に、大阪府最古の洋風建築とされる瀟洒な洋館が建っている。明治天皇記念館として建設された国重要文化財「旧桜宮公会堂」だ。今は婚礼や会食、会議などを開催できる施設として、その歴史を紡いでいる。
公会堂正面は、ローマ建築様式の6本の列柱が並ぶ。もとは、明治初期にアイルランド人技師が設計した造幣寮鋳造所正面玄関を1935年に移築したものだ。明治天皇記念館、図書館、アートギャラリーと時代の変遷とともに役割を変えていき2013年、全国で婚礼施設やレストランを展開するノバレーゼ(本社・東京都中央区)が大阪市から運営委託されリノベーション。建物の重厚さをそのままに、モダンなスタイルで蘇らせた。
館内は2階建て。1階のメインバンケットは、ヘレン・ケラーも講演したという舞台を残し、天井からは豪華なシャンデリアを垂らす。着席で120席、立食で200人の広さ。平日はレストランとして、休日は婚礼宴席などに使われる。美しい意匠が施されたらせん階段を上った2階のテラスラウンジは30席。テラスからは大川が眺められ、夏の天神祭の開催時には打ち上げ花火が目の前で炸裂する。
また同じく2階のクリスタルホールは全面ガラス張りで、2014年にグッドデザイン賞を受賞。婚礼時にチャペルとして利用されるほか、入社式や展示会などに使われることもあるという。
リノベーションに合わせてノバレーゼでは隣接して新館を建設。重文の施設内では不可能な厨房を新設し、でき立てのコース料理を提供するなど料理に力を入れている。
水本佳苗GMによると飲食に関しては旅行会社に手数料も設けている。市内観光で非日常的な食事場所としても、会合の会場としてもお勧めだ。
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