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【観光業界リーダー年頭所感】一般社団法人日本添乗サービス協会 会長 三橋滋子 氏

昨年は新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が発令され、外出自粛が要請されました。オリンピック・パラリンピックも延期され、各種イベントも中止されるなど観光産業は冷え込み、協会傘下の会員会社の事業存続と雇用維持のサポートに明け暮れました。雇用調整助成金、持続化給付金、家賃給付金などの会員への早期情報提供を行うとともに関係先官庁などへの陳情を重ね、会員企業の存続に尽力してまいりました。

旅行会社が求める世界各地どこへでもまた、どのような旅行でも任せられ、かつ老若男女どのような参加者にも満足度の高いサービスを提供できるベテラン添乗員を育成するには長い年月、経験を要します。しかしながら、添乗業務が長期間ない中、転職を余儀なくされるケースも発生し始め、会員会社にとっては苦渋の一年でした。優れた添乗員は会員会社にとっての“宝”であると同時に旅行業界の“宝”でもあるのです。

協会では需要が増加されるであろう訪日外国人への対応可能な人材育成も視野にインバウンド検定試験を実施する準備を進めており、今年はオリンピック開催前に行う予定にしております。海外への観光旅行の再開目途が立たぬ中、ベテラン添乗員の方々にもぜひチャレンジしていただきたいと願っています。また、急増している国内旅程管理主任者研修受講希望者のために全国で複数回研修を開催します。こちらも長年国内添乗から離れていた海外添乗員のブラッシュアップを目的としたウェブ研修の開発を計画しています。

こうした状況下、政府は「Go Toトラベル」を打ち出しました。ただし地域によっては65歳以上の利用自粛が求められたことによりキャンセルが続出しています。特に添乗員が同行する長期間の募集型企画旅行の参加者の9割方は65歳以上の高齢者で占められています。体力、知力、行動力などは個人差が大きくグループ行動ができるか否かは各人の自己責任で判断すべきであり健康寿命が延びている中、年齢基準の見直しも必要なのではないでしょうか。

中小企業にも定年延長が求められている昨今、多くの人たちの旅行事業を満たせる仕組みに今こそ作り直す時期に来ていると思いますが、今は安全なワクチンが普及し一日も早いコロナ終息を願うばかりです。

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