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【観光業界リーダー年頭所感】株式会社エイチ・アイ・エス 専務取締役H.I.S.JAPANプレジデント 中森達也 氏

新春のごあいさつに先立ち、新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々のご冥福をお祈り申しあげますとともに、罹患された方々、ご家族、関係者の皆様に心よりお見舞い申しあげます。また医療関係者をはじめ感染拡大防止に日々ご尽力されている方々に深く感謝申しあげます。

新春を迎え、謹んで新年のごあいさつを申しあげます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。

2020年を振り返ると、新型コロナウイルス感染症によって、旅行市場はもちろん観光業界、経済活動全般において過去経験したことのない深刻な状況がもたらされ、今も危機が継続しているというのが実感です。

コロナ禍に伴いさまざまな変化がもたらされました。最も大きく変わった点を一つ上げるとすれば、コミュニケーションのあり方だと考えます。さまざまな人とのつながりがリアルからデジタルへと大きく変化しました。それに伴い、個別対応でのサービス提供、個別化が様々な業界で進んでいます。個別化はパーソナライズされるというプラス面と孤立化を招くという危うさを合わせ持っています。

このような状況下でも、弊社が掲げる旅行を通じて人と人が交流する事で相互理解を促進し、人類の創造的発展と世界平和に寄与するという理念の実現に向けて、人と人とが交流するコミュニケーションの場を提供することは、これからも変わることはありません。

人と人がつながっている安心感がベースとなり、旅行本来の楽しみを感じる事ができるという原点に立ち返り、このような環境下だからこそ、人と人のコミュニケーションの場をより多く提供する必要があると考え、昨年5月よりオンラインツアーを実施しております。今までに累計で3万名以上のお客様にご利用いただいております。何よりご参加されたお客様が、現地ガイドや現地社員とのコミュニケーションを楽しんでいただけた声を数多くいただいたことで、人と人をつなぐ場の提供を続けることの価値を再認する機会となりました。手前味噌ながら、自社の強みを活かし、世の中の変化を新たなチャンスへ転換することができる一例と自負しております。いかなる危機も、それを乗り越えようとすることで、それがさらなる原動力となり、新たな一歩を踏み出すことができます。

21年は、旅行業界においても様々な変化を受け入れながら新たな形を形成する年になろうかと思います。東京オリンピック・パラリンピックもひかえています。既成概念にとらわれず、お客様に受け入れていただき、喜んでいただける商品を提供するという原点に回帰し、様々な局面を乗り越えて新しい旅行業を歴史に刻むことになる最初の年です。微力ながら、弊社も旅行業の進化に尽力してまいります。

本年も引き続き、株式会社エイチ・アイ・エスおよびHISグループへのご理解、ご支援のほどよろしくお願い申しあげます。

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