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【観光業界リーダー年頭所感】株式会社JTB 執行役員関西広域代表 北村豪 氏

謹んで新年のごあいさつを申しあげます。

新型コロナウイルスに翻弄された2020年、パンデミック後の海外旅行の取扱いはゼロに等しく、国内でも移動の自由が制限されたことの影響は甚大で、ツーリズム産業はかつてない打撃を受けました。生活様式は一変し、オンライン化が加速する一方で、五感で体験するリアルな旅の価値を改めて考える機会にもなりました。

観光事業者と旅行者の双方が感染防止対策を徹底する新常態の旅が少しずつ再開され、Go Toトラベルなどの需要喚起策により、秋には様々な業界で好影響が出始めたものの、冬季に入り再び感染が拡大しツーリズム産業は依然厳しい状況にあります。コロナ禍以前のように需要が回復するには相当時間を要する見通しのなか、感染爆発を防ぎつつ、ウィズコロナ時代の旅行・MICEを実践し、東京オリンピック・パラリンピック競技大会やその先を見据えてインバウンド受け入れの準備もしておく必要があります。

JATAの調査によると、宿泊施設がインバウンド受入再開に必要と感じているもののひとつが非接触型コミュニケーションツールです。

JTBではスタートアップ企業と提携し、非接触型・多言語ツール「Kotozna In room」を開発しました。ゲストはスタッフに対面することなく自分のスマホを使い母国語同士でチャットしサービスを受けることができます。施設様にとっては感染防止とともに、業務効率化やDX化も図れることから、すでに50以上のホテルや旅館で導入いただいています。

デジタル基盤を活用しツーリズムに関わるステークホルダーの課題を解決していくとともに、交流を通じて地域の魅力を高めるための取り組みも強化します。

大阪観光局と連携して開発した「大阪B&Sプログラム」は国内外からの教育旅行団体に対して大学生や留学生、若手芸人がガイド役となり兄弟姉妹(Brothers & Sisters)のように交流しながら観光地や街の魅力を紹介する体験型着地コンテンツです。大阪のファンを増やし観光振興・地域活性化につなげることを目的とし、全国の旅行会社や教育機関にご利用いただける体制を構築、5月からスタートします。大阪だけでなく全国各地の営業拠点が自治体や事業パートナーの皆様との連携を深め、交流創造による地域の価値向上や持続的発展にともに取り組んでまいります。

JTBは新たな中期経営計画−「新」交流創造ビジョンのもと、社員一人ひとりがお客様を想い行動し、お客様の感動のそばにいることを自らの喜びとする、創業以来のDNAに、最新のデジタルの力を掛け合わせ、お客様に「価値」と実感していただけるソリューションを提供することに心血を注いでまいります。

平和で心豊かな国際交流が一日も早く再開できることを願いつつ年頭のごあいさつといたします。

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