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【観光業界リーダー年頭所感】日本旅館協定旅館ホテル連盟 関西支部連合会会長 田岡茂 氏

謹んで新年のごあいさつを申しあげます。平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申しあげます。

昨年は誰もが予想だにしなかった、急激な新型コロナウイルスの感染拡大に翻弄された一年でありました。俯瞰してみれば、一昨年日本を訪れた3千万人超のインバウンド需要の勢いそのままに、昨年1月は海外から266万人の方が日本に訪れる中、発症前でも感染というこれまでにあり得ない感染形態により、全世界を一瞬に恐怖で包みました。

この強力な感染力により、人と人が強く結びつくことでもたらされる感動体験を提供する、私どもが生業とする観光業は大きな打撃を受け、正に全世界の需要が一瞬にして消え失せました。日本国内でも非常事態宣言による社会経済活動の停滞。誰もがこの街中に人のいない風景がいつまで続くのか、不安が募るばかりでした。

5月25日に全国すべての外出自粛の非常事態宣言が解除され、以降の旅行需要は「ワーケーション」や「コロナ疎開」とも称されるように、密を避けるために、移動は公共交通からマイカーへ、目的地は都市部から自然豊かな場所へと明らかな傾斜傾向が見られます。

そして、7月に始まった「Go Toトラベルキャンペーン」の功罪が問われていますが、これにより一定程度救われた宿泊施設、観光施設が全国各地にあります。キャンペーンは本年6月まで継続のようですが、目の前の第3波以降の波をいかに乗り越えていくか、難しい舵取りが続くことでしょう。

本年は、穏やかなる年となるよう、さらに豊かな協調と深い信頼につながる環境づくりを目指していきたいと考えています。そして、私たちの誰もがその環境づくりの当事者なのです。あらためて国内旅行需要を喚起し、その目的地に私どもが選ばれるよう知恵を絞り行動を起こしましょう。

また国際的な人の流れの復活、日本を訪れたいという欲求は変わらず存在します。インバウンド需要の復活の契機となるのは、東京オリンピックや新型コロナワクチンの流通ではないでしょうか。関西では大阪万博EXPO2025に向け、うめきた再開発も予定通り進められると聞いています。普通に安心して何時でも望む旅行が可能となる日が必ず来ます。

関西の魅力は国内に留まらず海外からも大きな評価をいただいています。さらにそれらに磨きをかけて、普段から質の高いサービスを提供し、そのブランド力に磨きをかけていきましょう。

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