難波葱加工し、医療従事者応援 幸南食糧や生産者がタッグ/大阪
コロナ禍で流通がままならなくなった大阪の伝統野菜「難波葱」を有効利用しようと、幸南食糧(本社・大阪府松原市、川西孝彦社長)と、地元松原市の生産者、大阪難波葱普及委員会の3者がタッグを組んだ。同社の技術を活用し、難波葱の加工食品を2万個製造。医療現場の最前線で奮闘する大阪府下の病院に寄贈した。
3者がタッグを組んで開発したのは、松原産の難波葱を使ったレトルトの「難波ねぎごはん」と「難波ねぎスープ」。
難波葱はもともと大阪随一の繁華街、ナンバ一帯で栽培されていた大阪の伝統野菜。京野菜ブランドの九条ネギのルーツ種でもある。近年、大阪難波葱普及委員会の活動もあり、松原市を中心に栽培が復活しつつある。
ただ、コロナ禍の影響でせっかく生産した難波葱にロスが生じる恐れがあった。そこで、古くから防疫対策、免疫向上につながる身体にいい野菜として知られるネギを幸南食糧の技術を活用して加工。大阪市立病院機構の十三市民病院(大阪市淀川区)、大阪精神医療センター(枚方市)、はびきの医療センター(羽曳野市)の3病院で、コロナに立ち向かう医療従事者に2万個を寄贈することにした。
地元生産者は「自分たちが作った難波葱を有効活用していただき、社会貢献できることはたいへんうれしくありがたく思っています」。幸南食糧が2018年に設立した地域活性化研究所では「今後も全国各地の農産物を6次産業化し、地域活性化を促進するため、企画から開発、販路までサポートしていきたい」と話している。
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