万博見据え「誘客交差点」−大阪・船場の挑戦(1) アーバンツーリズム推進
かつての「大坂」の町人文化の中心だった船場地区。江戸時代から戦前に至るまで大阪を代表するまちで、船場で使われた「船場言葉」が大阪弁とみなされるほどの歴史を持つ。この船場を、4年後の大阪・関西万博を控え観光の視点から、万博会場の夢洲(ゆめしま)へのアクセス拠点と位置づけ「誘客交差点」として活性化させようという動きが出てきている。
現代の「会合衆」の取り組み ホテルを地域資源の情報発信地に
歴史と伝統のまち船場の「誘客交差点」構想の推進役らが、豊臣秀吉の時代に商人らの自治組織「会合衆」にあやかって命名したアーバンツーリズム大阪船場会合衆(池永純造代表)。
船場地区はインバウンドの追い風を受けホテルの建設ラッシュとなり、この10年で約90軒のホテルが営業する一大宿泊エリアに発展した。現代の会合衆は、こういったホテルを地域資源の情報発信地として着目。アーバンツーリズムの定着を目指し、地域の社寺仏閣、商店街、まちづくりの組織など約100団体の連絡組織として発足した。大阪府や大阪市、大阪観光局、全旅協大阪府旅行業協会などとも連携している。
具体的には、船場らしい食文化の紹介とグルメマップの作成、近代建築や商店街、寺社など地域資源の魅力と価値の情報発信、地域資源を巡る都市回遊型コンテンツの実証、ウイズコロナ・アフターコロナ期における商店街への誘客コンテンツの開発を行う。
すでに第一弾の事業として観光庁の助成金を得て、飲食店108店舗を掲載したグルメマップ1万部を作成。地区内のホテルで配布した。
2月には、船場地区にあるルネサンス風の歴史的建造物として知られる綿業会館で観光キックオフミーティングを開催。料亭花外楼5代目女将の徳光正子さん、セントレジスホテル大阪総副支配人の山本良樹さん、船場まつり推進協議会特別顧問の橋爪紳也さんが参加し「アーバンツーリズム大阪・船場を目指して」をテーマに、船場への熱い思いを語り合った。
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