今だからできること 森野茂さん(京旅協理事長)が知床一周
京都府旅行業協同組合の理事長で、アルファトラベル社長の森野茂さんがシーカヤックで知床半島一周にチャレンジ、見事成功した。日本国内では数少ない手つかずの自然が残る半島を4日間かけて人力のみでぐるりと一周。アドベンチャーツーリズムであり、エコツーリズムの最前線の体験は「環境に負荷をかけない持続可能な観光として、今後の旅行事業に生かしたい」(森野さん)と強く思ったという。
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知床半島一周は、一般社団法人JARTA(高山傑代表理事)の企画したツアーに参加し実現。羅臼からウトロまで約70キロをシーカヤックで移動したもので、すべてテント泊で自炊、もちろん携帯電話もつながらない。北方領土を目前にし、知床岬ではオホーツク海と太平洋で海の色が劇的に変わる瞬間も見た。途中、ヒグマにも遭遇した。
ツアーを企画したJARTAは、持続可能な観光を実践する「責任ある旅行会社アライアンス」として2018年に設立。地域観光を後方支援し、価値観を共有する来訪客を中心としたブランディング、集客、観光地・サプライヤー・地域住民・自治体・DMO等の観光協会との対話を通した持続可能性の強化などを目的に活動する。特に、国連が定める2030年の持続可能な開発目標(SDGs)に向けて、健全な地域づくりのための旅行を旅行会社として提案していくとしている。
森野さんは「初日は荒波の洗礼を受け、どうなることかた思いました。素晴らしい大自然だった一方で、海岸にはプラスチック製品が打ち上げられている現実も見ました。時間があるコロナ禍だからこそ実現できた貴重な体験でした」。また、4日間の体験を通じてこうも話す。「コロナ禍を経てマスツーリズムの限界も感じています。知床のような地域が「観光公害」にさらされてはなりません。これから旅行会社としての役割を考えされるきっかけにもなりました」。
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