最新技術で移動を価値化(1) パナソニック「ピーモ」に試乗体験
A地点からB地点への単なる移動が体験としての価値を生じることになったら…。観光列車や観光タクシーなどは既存の移動手段を価値化するものだが、最近ではモビリティと称して最新技術を駆使することによって、その価値を大きく高める乗り物が登場している。
自動追従機能でツアーに応用も
パナソニック・プロダクションエンジニアリング(大阪府門真市)が開発したロボティックモビリティ「ピーモ」。その名の通り、乗り物というより人搭乗型のロボットで、観光の様々なシーンで活用が検討されている。
ピーモの見た目は電動車いすのようだが、実は高性能なセンサーがつき、複数台で移動することに特徴がある次世代モビリティ。同社で行われた体験試乗では、先頭車に自動で追従し、車両間の距離が少し開けば速度を上げて距離を詰め、先頭車が停まれば自動停止する。その様子は、カルガモの親子のようでなんともユーモラス。
当初は搭乗ゲートまで長距離の移動を伴う空港での導入を視野に開発。グランドホステスが1人つけば5−6人が安全かつ快適に移動する手段を想定していた。ところがコロナ禍で空港への導入がままならなくなった。
サッカーJリーグのガンバ大阪の本拠地・吹田スタジアムの見学ツアーで試行したところ大好評。万博記念公園では、手ぶらで何の操作も必要ない利点を生かしてタブレット端末を用いたバーチャルツアーを実施。観光との親和性が非常に高いことを確認した。
先端技術が満載の機器は1台300万円もするが、ピーモ6台を1セットにレンタルする「イベントパッケージ」(2週間65万円から)も設定。参加型ガイドツアーなどでの需要を想定する。
同社ビジネス開発部の上田陽一郎さんは「乗る人を問わず誰もが観光コンテンツを楽しめるようになります。紅葉観賞ツアーでの導入も決まっています」。体験会に参加した旅行会社の担当者は「操作不要で安全安心なので星空ツアーもいいですね」。問い合わせはpiimo_event.km@pasona-pbs.co.jpへメールを。
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