安心安全なバス旅行を推進 キューカン「空間除菌噴霧器」(1) 全国250社・バス3千台が導入「ハイクロミスト」
2010年から「空間除菌」で観光バス車内の除菌・消臭に取り組み、安心安全なバス旅行を促進してきた株式会社キューカン(兵庫県神戸市)のバス専用噴霧器の有効性が今、改めて注目されている。厚生労働省が10月21日に、次亜塩素酸水溶液を噴霧器で霧状にして拡散させる「空間噴霧」に関して適切な利用を容認するコメントを公表。このコメントを追い風に、10年以上取り組んできた空間除菌をさらに普及させようと、キューカンは取り組みを本格化している。
厚労省、次亜塩素酸水の噴霧容認 新型コロナなど浮遊菌を不活化
厚労省が10月21日に公表したのは、次亜塩素酸水溶液を噴霧器で霧状にして拡散させる「空間噴霧」に関して「個々の製品の使用にあたっては、その安全性情報や使用上の注意事項等を守って適切に使用してください」とするコメント。空間噴霧の適切な利用を容認する見解を示したもので、消費者からの問い合わせでも同様の説明を行っている。
バス専用噴霧器の設置を10年以上にわたって進めてきたキューカンは、九州全域のランドオペレーター九州観光旅館連絡会を運営する会社。これまで、同社が推奨するバス専用噴霧器を搭載した「除菌バス」は現在まで全国250社、3千台を超える貸切バスに採用されている。
同社のバス専用噴霧器「ハイクロミスト」は、低濃度の次亜塩素酸水溶液を車内空間に噴霧。次亜塩素酸はインフルエンザ、ノロウイルス、O−157などの浮遊菌を不活化させることが認知されている。加えて、経済産業省の独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の検証実験によって、次亜塩素酸水溶液が新型コロナウイルスに対しても有効であることも証明されている。
またキューカンでは独自に、バス車内の空間噴霧の安全性を確認するため、次亜塩素酸水溶液研究の権威者で三重大学大学院生物資源学研究科の福﨑智司教授に次亜塩素酸濃度測定調査を依頼。その結果、約2時間の空間噴霧により、後部座席まで拡散していることが確認されたほか、労働安全衛生法で定める塩素濃度の作業環境評価基準500ppbの50分の1以下の安全な濃度範囲であることも認められた。
福﨑教授は「衛生習慣と次亜塩素酸水溶液を組み合わせることで、安全な車内空間を作り出すことができる」と話している。
次亜塩素酸水溶液の空間噴霧の安全性とバス車内での効果を説明するためキューカンではDVDを作成した。バス専用噴霧器を安心して利用できることや利用者への理解を求める観点から福﨑教授自らが出演し、検証実験の結果を説明。同社のバス専用噴霧器を導入したバス会社や今後導入を計画しているバス会社に無償配布を行っている。
バス専用噴霧器の希望小売価格は3万8千円(税、送料別)。
キューカンが運営する九州観光旅館連絡会東京事務所の坂田泰彦所長は「新型インフルエンザ(鳥インフルエンザ)の流行で観光業界が多大な影響を受けた2010年から、空間噴霧器をバス車中やオフィスのなかで休まず次亜塩素酸水を噴霧してきました。その間一度も乗務員やお客様から健康被害の届け出はありませんし、バス車内の精密機器の不具合の発生もありません」「福﨑先生のほか有識者の方による検証の結果やアドバイスをいただき、安全性には自信を持って各商品を提供させていただいております」と、10年の歴史を踏まえ、空間噴霧の安全性を強調している。
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