【観光業界リーダー年頭所感】公益財団法人大阪観光局 会長 福島伸一 氏
新年あけましておめでとうございます。
コロナウイルス発生から約2年が経とうとしています。幾度と繰り返された緊急事態宣言も明け、世間は一歩ずつ経済活動再開へと歩み始めました。オミクロン株の確認などしばらくは予断を許さない状況が続きますが、完全回復に向け取り組んでまいりたいと思います。
昨年の東京オリンピック・パラリンピックはすべてがイレギュラーで、現場の対応は並大抵ではなかったと思います。海外では日本人ボランティアの細やかなおもてなしや、開閉会式のパフォーマンスを絶賛する報道が多く、日本の国際評価の高まりを確信いたしました。国の危機に際し、日本人が一致団結して対処する行動を今回もみることができました。
この経験や日本人の団結力を信じ、コロナからの復興を掲げ、来たる関西・大阪万博成功につなげていくことが重要です。
大阪観光局はニューノーマルの重点事業として、第一に国内旅行客の誘致強化とマイクロツーリズムを推進しています。昨年末開始した「大阪いらっしゃいキャンペーン2021」は、府民の旅行機運向上と観光事業者の支援を目指すものです。また、昨年販売を開始した「大阪楽遊パス」は大阪の約20観光施設に入場可能なEチケットで府内約300の飲食店で割引が受けられるなど観光・飲食業盛り上げの期待を背負っています。
このように府内の観光資源を充実させるとともに、2025年を見据え他府県との連携を強化し、日本観光の「ゲートウェイ」として大阪のプレゼンスを高めていく必要があります。
「日本みどりのプロジェクト」では全都道府県や市町村、企業が緑化を推進するとともに、ネットワークを生かしたテーマ型回遊ルートの構築に取り組んでいます。
また、「留学生支援コンソーシアム大阪」では府市・学校・企業を巻き込みながら、昨年国内初となる留学生イベントを成功裏に開催し、国の関係機関とも連携を深めています。
今後も万博に通じる「みどり」「留学生」「LGBTQ」をキーワードに、国際都市大阪実現に向けて取り組んでまいります。
国際都市のアピールに欠かせないのが、国際会議や大型展示会などのMICE誘致です。多くの展示会が中止となった20年、大阪観光局は感染症対策を織り込んだ日本初のMICE開催ガイドラインを発表しました。昨年はアジア最大級の食の見本市「FOODEX Japanin関西」を初開催し、今年は全国の観光地が出展する「日本観光のショーケース」も控えています。これら一つひとつを万博開催前の成功体験と捉え、引き続き誘致強化に努めてまいります。
前述の通り、昨年はコロナ禍で大阪の魅力を再発見する一方で、万博を見据えて広域連携を深めた一年でした。今後は来場者2800万人を目指す万博に向け、インバウンド受け入れ環境整備に早急に取り組む必要があります。そのためにも、常に世界中のお客様を視野に、大阪に人が集まるプラスの循環を産・官・学連携で目指してまいる所存です。
最後に、本年も皆様の益々のご健勝をお祈り申しあげるとともに、さらなるご指導お力添えを賜りますようお願い申しあげ、年頭のあいさつとさせていただきます。
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