【観光業界リーダー年頭所感】株式会社JTB 執行役員西日本エリア広域代表 北村豪 氏
謹んで新年のごあいさつを申しあげます。
本年3月、JTBグループは創業110周年を迎えます。地球を舞台に人々の交流を創造し、お客さまの笑顔と感動をつないできた私たちですが、未曽有のコロナ危機に直面し、あらゆる構造改革を断行するとともに、コロナ対策や観光再生に関する事業など地域や企業の課題解決につながる旅行外需要の取り込みに注力いたしました。
昨年秋以降は、ワクチンの普及もあり新規感染者数が低位で推移しており、感染防止と経済活動の両立が進みつつあります。変異株など不透明な要素はありますが、自粛を余儀なくされてきた旅行やイベントに対する潜在的な需要は強く、交流は徐々に回復するとみています。
人と人とのつながりや絆がかけがえのないものであることに気づかされたコロナ禍で、JTBは人、企業・学校、地域の間に存在し、「つなぐ、つなげる」ことで価値を生み出し、お客さまや社会に必要とされる存在であり続けるべく努力してまいりました。お客さまの感動を自らの喜びとする社員のホスピタリティと、デジタルによる「つなぐ」力も用いて、旅で心を豊かにすることや、コミュニケーションで企業を元気にすること、人流創造で地域を活性化すること、さらにはお客さま同士を「つなぐ」ことで、より大きな社会課題の解決にも貢献してまいる所存です。
地域とお客さまを「つなぐ、つなげる」取り組みとして、2022年4月からJTBグループ全体で展開するのが国内旅行キャンペーン「日本の旬 四国」です。同時期に、3年に一度の「瀬戸内国際芸術祭」も開催されます。古来より根づくお遍路文化と、今の時代に即したJTBならではの周遊型観光とを掛け合わせ、四国一円での観光促進に取り組みます。昨年、法人・個人営業と仕入造成の機能を各県の法人支店内に集約しました。四国ならではのコンテンツを地元の支店が事業パートナーの皆さまと開発し、リアルとオンラインを掛け合わせた多様なチャネル・商品によって、全国のお客さまにつなぎ、お届けします。
さらに、地域と企業を「つなぐ、つなげる」取り組みのひとつが、企業版ふるさと納税ポータルサイト「ふるコネ」の運営です。SDGsへの取り組みや社会貢献をめざす企業と自治体の地方創生事業とをオンラインでマッチングさせるスキームを提供するとともに、ふるさと開発事業部と全国の法人営業支店が連携し、企業と自治体双方の課題解決をリアルでも支援しています。
2022年、JTBの中期経営計画―「新」交流創造ビジョンにおいて「回復と成長」のフェーズがスタートします。社内の構造改革を未来へ「つなげる」とともに、地域と事業者さま、地域とお客さま、地域と地域をつなぎ、皆さまとの共創により持続可能なツーリズム産業の発展を希求し、実現できる存在となれるよう取り組んでまいります。
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