【観光業界リーダー年頭所感】JTB協定旅館ホテル連盟 西日本支部連合会会長 宮﨑光彦 氏
新年あけましておめでとうございます。今年こそコロナ禍で甚大な被害を受け厳しい環境下にある観光産業が復活することを願うものです。
約2年にもおよぶ混迷の中で当連合会では15府県の会員よおび支部活動の支援に全力を傾注。旅ホ連本部やJTBとの協働のリカバリー策として“ならではの価値”となる支部主体の地域観光コンテンツ開発事業などを展開してきました。宿泊増売を最重点目標に掲げ「売上=商品力×販売力」の基本を各委員会・部会が主体となって具現化。これを愚直に実行することで定率会費の拡大再生産が図られ、支部活動と地域経済の底支えにつながる好循環が生まれると確信しています。
JTBは2022年度の構造改革で、国内の宿泊仕入れと着地商品造成の機能を支店に移管し「法個連携、発着連携によるお客さま実感価値の向上」を目指すこととしています。連合会では、これまで魅力ある地域づくりに取り組んできましたが、今こそ地域自らが来訪者を創造する地域主導型観光への大胆な転換が求められており、旅ホ連組織の存在意義がそこにあります。
まさに、“送客”から“創客”へ。お客様を送っていただくという姿勢から脱却し、会員施設の商品価値向上はもとより、着地の自治体やJTBの47DMC支店と連携し、地域交流イベントや誘客プロモーション、地域に根差した旅行商品を提供することにより、観光地の活性化と旅行需要の回復を目指します。
そして、今後の「新しい旅のカタチ」に対応すべく、ヒューマンとデジタルの融合をさらに加速させていきます。
若手社員を中心に地元支店と旅ホ連会員との連携強化、宿泊販売を担う客室操配実務担当者とのワークショップの開催、リモート相談を担うリテール営業店支援のための地元情報共有体制の再構築に努めます。
また、デジタルを活用した販促の一環として、BtoB、BtoCを意識した各支部ならではの動画を制作しJTBのHPやYouTubeなどでの配信および連合会でのコンテスト優秀作品の在外支店への多言語発信とオンラインセミナーでの活用を行います。
私たちホテル旅館業は、未曾有のパンデミックにより危機的状況を迎えましたが、「グレート・リセット」を断行するなど、多くの学びを得る契機となりました。
サービスのあり方や様々な業務の抜本的見直し、この時期でしかできない高付加価値化のための施設改修やDX化など生産性向上とSDGs対応に努め、これからの反転攻勢に向けて体質改善も進めてきました。
今年上期、Withコロナ時代の最初の全国キャンペーン「JTB日本の旬四国」が展開され、地方創生のけん引役である観光の再生の絶好の機会と捉えています。
連合会では、「そこに何があるか」ではなく、「そこで何ができるのか、どんな時間を過ごせるか」の貴重な経験価値をお客様に提供できるよう、魅力ある宿づくり、地域づくりを一層推進していきます。
観光は、生活様式がいかに変容しようとも、人々の心身を癒し、暮らしを豊かにしてくれます。裾野の広い観光産業の担い手として、経済や地方を元気にする観光復興に向けて力を合わせていきたいものです。
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