【観光業界リーダー年頭所感】全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会 青年部部長 星永重 氏
新年あけましておめでとうございます。
第25代全旅連青年部長に就かせていただき早9カ月が過ぎました。コロナ禍の影響により観光宿泊産業にとって未曾有の危機的な状態は一貫して続いております。短い期間ではありますが、スローガンを「観光を日本の基幹産業に―Keep Trying」と掲げてまい進していく中で、本当に多くの皆様に力をお借りして、ともに支え合い、観光宿泊業として厳しい状況の中、膝をつかず顔を上げて立たせていただいていることに感謝が込み上げます。
この状況下で一軒でも多くの宿泊施設が事業継続していくための一助となれるような活動は全旅連青年部として第一優先事項であり今後もさらに力を入れてまいります。
一方で、コロナ以前の状況を鑑みた時に、インバウンドの向上とともに全国の旅館ホテルの状況が良かったのか?と考えると、必ずしもそうと言い切れるものではなかったと認識しております。労働生産性、労働環境、慢性的人手不足、財務状況、担い手不足、地域の過疎化問題など様々な課題が乱立し、外資系ではないプロパーの旅館ホテルの数は年々衰退傾向にありました。
さらに今後はよりIT技術の進化やDX化が爆発的に加速し、我が産業は今までにない大きな変化に適応していく必要性を強いられている状況にあり、適応力が売りの我々青年部世代がこれを牽引すべくその責務は重大であると身が引き締まる思いでおります。このコロナ禍という逆境をいかにチャンスに変えて顕在化していた課題解決も含めて成し遂げられるかが、スローガンである基幹産業と呼べる業界になれるかどうかの分岐点だと考えております。
宿泊産業は非常に地域にとって価値あるもので特に旅館文化をはじめ日本の宿泊施設文化は地域の文化であると言い換えられるかと思います。商品体の時間軸が24時間以上あり、衣食住すべてを体験できることは言い換えれば地域のモデルルームと言っても過言ではないと考えております。
コロナ禍はこの価値をさらに高めて地域創生に寄与し、世界に文化発信をするための準備期間であると考えます。
今年度は青年部として10月には北海道札幌の地にて「第26回全旅連青年部全国大会」、そして来年2月には、前期やむなく開催がなし得なかった全国の若旦那若女将が中心となり地域と旅の魅力を最大限に発信する新たな事業「宿フェス」を開催し、業界内外に我々宿泊業が適応し生まれた変化・魅力を最大限に発信をしてまいります。
本年もどうぞ、ご指導ご鞭撻をたまわりますようよろしくお願い申しあげます。
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