【観光業界リーダー年頭所感】一般社団法人奈良県旅行業協会 会長 中島昭人 氏
謹んで新春のお祝いを申しあげます。
昨年の5月の定時総会において、一般社団法人奈良県旅行業協会、株式会社奈良県旅行業協会の会長職を仰せつかってから早や半年が経ちました。長引く新型コロナウイルス感染拡大により、会員の皆様が気力・体力ともにズタズタになり不安に打ちひしがれている状況の中で、組織の舵取りを任されることになったことを、正に天命と受け取り、望まれて仕事をさせてもらえることに喜びを感じ、大役をお受けさせていただきました。
間口は広く、懐は深く、そしてフットワークは軽くの意識を強く持って、会員・組織にとって少しでも身になることであれば積極的に行い怒とうのごとく走り抜けた半年でありました。会員や役員そして関係各位の皆様に、ご迷惑をおかけすることも多々あったかとは思いますが、そのような中でも大きな気持ちで支えていただけたことは、感謝の言葉しかありません。本当にありがとうございました。
さあ、新しい年を迎えて、いよいよチェンジする時です。
守りから攻撃へ転じる反転攻勢のイニングがやってきました。様変わりしてしまった観光業界の風景は、むしろ未来への足がかりです。
この2年間で培った経験・発見・知力・忍耐力は、決して無駄ではなく、生かすも殺すもこの先の時代を受け入れる力、時代を見極める力、その力が今確かめられるように思います。
当面は恐らく、県民割やGo Toキャンペーン事業のような消費喚起策を打ち出してはいただけると思いますが、いずれそのような施策もなくなることは間違いありません。
目先の仕事や事業経営だけに従事することなく、デジタル社会に向かう中で、時代に対応できる業態に変化していかなければ、弱り切った経営基盤を立て直すどころか、淘汰の道が待っていることは避けようのない現実です。
オンラインやデジタルシステムに対しても、躊躇なく積極的に受け入れる寛容さを持つと同時に、地域に根ざした地元旅行会社として、リアル店舗と地域密着のネットワークの強みを、いかんなく発揮し行政とも常に連携していくビジネスモデルを構築していかなければなりません。
そのためにも各々の協会員が、個としてだけ動くのではなく、組織全体として問題意識の共有、情報収集、そして連携した行動をしっかりと取れるだけの信頼関係が、今まで以上に必要になってきます。
現在、協会員53社が入会していただいていることは、県内に53の営業所を有していることと同じ潜在力・強みがあるわけです。この潜在力・強みをフルパワーできるように、また地域に活力を生み出すリーダーとしての使命感を持って、新たな一年が実りある一年になるよう、会員諸兄の皆様と力を合わせてチャレンジしていきたいと思います。
最後になりましたが、皆様の益々のご健勝をお祈り申しあげ、決意のごあいさつとさせていただきます。
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