修学旅行代替地が賑わう 「平和学習」で京都府舞鶴市と兵庫県加西市へ訪問
京都府舞鶴市や兵庫県加西市が修学旅行生で賑わっている。前者には引揚記念館、後者には鶉野飛行場跡地があり、いずれも「平和学習」がキーワードだ。
両市を修学旅行で訪れるのは近畿圏の小中学生。大阪府や奈良県などの小学校では多くが平和学習を修学旅行のテーマに掲げている。従来、旅行先の大半は原爆ドームや平和記念資料館がある広島市だったが「遠距離で新幹線などの移動を伴い感染リスクが高まる」(旅行業者)として、代替先が求められていた。
舞鶴市は「岸壁の母」の歌とともに全国に知られる引き揚げのまち。終戦直後から13年にわたり、シベリアに抑留された人々66万人以上を迎え入れてきた。舞鶴引揚記念館は、引揚という史実を継承する貴重な資料が数多く展示されている。特に語り部による館内ガイドが、多くの喜びと悲しみを生んだものがたりを紡ぐ。地元中学生による語り部も好評だ。
同館によると、この1年で80校以上を受け入れたという。ロシアのウクライナ侵攻など世情の不安定さを受けて、平和学習の重要性が高まっているそうだ。

シベリア抑留者の暮らしぶりを伝える
舞鶴引揚記念館の展示
加西市の鶉野飛行場跡地は、1943年(昭和18年)に完成した旧日本海軍の飛行場跡。17—25歳という若者が集められ、ここで訓練を受けた後、各航空隊へ配属。45年に神風特攻隊「白鷺隊」が編成され、63名の尊い命が失われたという。現在も、飛行場の周辺には滑走路はもちろん、防空壕の跡など生々しい戦争の爪痕が残る。
今年4月には、実物大模型の戦闘機2機やパイロット養成の歴史などを紹介する「soraかさい」がオープンした。

滑走路が残る鶉野飛行場跡
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