空白の1200年を埋める―新たな歴史観光コンテンツ 奈良市・安達えみさんの挑戦―ボイスドラマで聖地巡礼ツーリズム(2)
安達さんの企画は「奈良の魅力である歴史資源を磨き上げるもので秀逸と評価されました」(奈良市担当者)とされ採択。シナリオを自ら書き下ろし、特にこだわったのは声優だった。「声優ファンと奈良ファンは違いますが、新しい層を開拓できると思って」と、昔のツテで今人気絶頂の内田雄馬さんや間島淳司さんに依頼した。「私自身、住んでいる場所、知っている場所をアフレコで言ってもらえるのが嬉しかったですね」。
できあがったボイスドラマ「龍華記」は全6話。動画配信サイトYouTubeで無料配信している。一話あたり約15分なので、素人にもとっつきやすい。「大好きな奈良が過去だけのまちになるのは嫌」という安達さんが、空白の1200年を埋めるピースとして制作した渾身の作品に仕上がっている。
いま、安達さんが取り組んでいるのが「龍華記」の舞台を訪ねるガイドツアー。もともと観光ガイドとしても活躍しており、しかも若いころからの“ホトケ女子”で奈良はもちろん各地の仏像に精通している。旅行会社からの依頼にも応じる。
奈良と仏像好きが高じて2014年奈良市に移住してきた安達さん。「本当に良くしてもらった奈良の人たちとまちに恩返しができれば」と、南都に聖地巡礼ツーリズムの確立を目指す。
ガイドツアーの問い合わせは、合同会社榧へメールinfo@ka-ya.jp。

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