【観光業界リーダー年頭所感】一般社団法人四国ツーリズム創造機構 代表理事 半井真司 氏
あけましておめでとうございます。年頭にあたり、謹んで新年のごあいさつを申しあげます。また、旧年中、四国を応援いただきました皆様に心より御礼申しあげます。
昨年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症の影響が年間を通して続きましたが、ワクチン接種の着実な進展などを背景に、総じて落ち着きを取り戻し、国においても、10月には全国旅行支援の実施や入国規制の緩和など、従来の守り一辺倒から、経済・社会を回すことへの転換も見られました。
当機構でもコロナ対策に引き続き取り組みつつも、対面での対応を手探りで進めるなど、少しずつではありますが、コロナ前の活動を取り戻す挑戦を続けた一年でした。
5、6月には東京、京阪神、名古屋地区で旅行会社セールスを、また10月には、東京、大阪での観光商談会を3年ぶりに開催したほか、11月に東アジア商談会を開催するなど、コロナで途絶えていた旅行会社との関係の再構築に取り組み、反転攻勢の基盤づくりに注力しました。
また一昨年、四国経済連合会と四国4県の地方銀行の包括提携組織である四国アライアンスと共同で策定した「四国の観光ビジョン」に基づく、4つの重点実行計画に沿った新たな取り組みにも挑戦しました。
まず、ビジョンの重点実行計画「四国ブランドの確立」に向けて、7月に「四国『持続可能な観光』推進ネットワーク」を、四国域内の10の市町村、7つのDMOとともに設立しました。四国が一体となった、持続可能な観光に取り組むことを目指しています。
10月には、香川県小豆島町と愛媛県大洲市が国際的な認証団体が実施する表彰制度「TOP100選」に選出され、国際的な認知度向上、ブランド化に繋がることが期待されています。
またビジョンの「販促活動の強化・充実」に向けて、四国への誘客に必要なマーケティングデータを蓄積、可視化し、四国内のDMOや自治体、観光事業者などで共有し活用を目指す「データ・マネジメント・プラットフォーム」(以下、DMP)の構築を進めており、3月末までの運用開始を予定しております。
併せて、四国域内のDMO、観光事業者などを対象に、マーケティング専門事業者による「少人数によるマーケター育成事業」を本年1―3月にかけて実施します。DMPで可視化したデータ等を駆使し、マーケティング能力の底上げに繋げたいと考えています。
そして、ビジョンの「観光コンテンツの広域組成」については、本年9月、北海道で開催されるアドベンチャー・トラベル・ワールドサミット(ATWS)の開催に合わせた、四国内でのアドベンチャーツーリズムの推進に取り組みます。
これらの取り組みと並行し、ビジョンの「周辺エリアとの連携」に向け、2025年の「大阪・関西万博」を見据えた関西地域などとの広域連携の取り組みも本格化したいと考えております。
本年はコロナの影響がさらに低減し、経済・社会の正常化に向けた動きの加速が期待されます。四国の広域連携DMOとして真価を問われる状況に正面から取り組み、一つずつ成果を出す年にしたいと考えております。
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