【観光業界リーダー年頭所感】JTB協定旅館ホテル連盟 西日本支部連合会会長 宮﨑光彦 氏
「あとから来る者のために 田畑を耕し 種を用意しておくのだ 山を川を海を きれいにしておくのだ
ああ あとから来る者のために 苦労をし 我慢をし みなそれぞれの力を傾けるのだ
あとからあとから続いてくる あの可愛い者たちのために みなそれぞれ 自分にできる なにかをしてゆくのだ」
新春を寿ぎ謹んでお慶びを申しあげます。
冒頭の文は、愛媛県に記念館がある詩人 坂村真民さんの詩です。
コロナ禍で観光産業は大打撃を受け、物価高、資源高、第8波の懸念、そして労働力不足など問題は山積ですが、光は確実に見えています。全国旅行支援割の効果もあり、直近10―12月では2019年を上回る業績を上げる観光地が増えました。
この3年間を通して分かったことは、人々の心を癒し、人生を豊かにし、地域の雇用や経済、暮らしを支えるのは「旅」だということです。
今を生き抜くとともに、将来を担う子や孫たち、すべての従業員のために何を残せ、何を繋げることができるのか、宿泊観光産業にとってまさに正念場と言えます。
そのため、価値観の変化が観光に投影した事柄、つまりウェルネスを求める旅、「過ごす」ことの価値、余暇と労働に対する価値観の変化などへの的確な対応が求められます。
「交流を止めない!」というJTB山北社長の昨年9月の強いメッセージに共感し、今年のJTB旅ホ連西日本支部連合会のテーマは「あとから来る者のために」持続可能な仕組みづくりを進めることです。
昨年に続き、宿泊増売を最重点目標に掲げ「商品力×販売力」強化を各委員会・部会が主体となって愚直に実行することにより、定率会費の拡大再生産を実現し、会員企業の存続と支部活動の充実や地域経済活性化への好循環を生み出していきます。
具体的には、お客様のニーズやライフスタイルの変化に柔軟に対応し、マーケットに訴求できるよう旅館ホテル自体の商品力強化に努め「価格価値向上」が伴う単価アップにも、旅ホ連の充実した各種セミナーや宿泊増売会議を通じて取り組みます。
加えて、JTBの「法個仕連携、発着連携によるお客さま実感価値の向上策に連動し、地域を挙げたホスピタリティマネジメントを推進し、地域自らが来訪者を創造する新しい観光まちづくりに挑戦。
業界の将来のためにも、会員施設のパワーアップはもとより、着地の自治体やJTB47DMC支店と連携し、地域交流イベントや誘客プロモーション、ATはじめ地域に根差した旅行商品を提供することにより、旅行需要の回復を目指します。
そして、ヒューマンとデジタルの融合がさらに重要となるなか、若手社員を中心に地元支店と旅ホ連会員との連携強化、客室操配実務担当者とのワークショップの開催、情報共有体制の再構築にも努めていきます。
「不幸は待たなくてもやってくるが、幸福は待つだけでは来ない」という言葉があるように、まさに変革のチャンスととらえ、今年こそ、自ら飛躍の年にしたいものです。
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