花の御寺・長谷寺(1) 「ぼたん献花会」4月29日開催
3年ぶり練供養も華やかに 十一面観音菩薩立像で着物ショー
奈良県桜井市の名刹・長谷寺は、四季折々の花を楽しめることから「花の御寺」として知られる。国宝の本堂をはじめ、室町時代に造立された本尊・十一面観音菩薩立像など貴重な文化財の宝庫でもある。
その長谷寺では毎年4月中旬から下旬にかけて牡丹の花を観音様に奉納する「ぼたん献花会」を開いている。例年、門前町にある旅館「井谷屋」から本堂までの約1キロ、お稚児さんを伴っての練供養(ねりくよう)が繰り広げられる。
ここ数年間はコロナ禍による自粛で実施されなかったが、2023年は規制の緩和で、3年ぶりの開催が決まっている。
長谷寺といえば牡丹を思い浮かべるほど有名だが、長谷寺の牡丹は、中国・唐の時代の僖宗(きそう)皇帝の妃・馬頭夫人(めずぶにん)から送られた宝物の中に入っていた牡丹の種が起源だと伝わる。
この故事を踏まえ、今回は従来の練供養とは違い、地域の活性化につながるようにという考えから、一般参拝者にも練供養参加を計画。馬頭夫人の衣装デザインを公募し、そのなかの優秀作品の衣装を着て練供養に参加できる女性5人を募集する。4月29日に行われる「ぼたん献花会」では、150種・7千株に及ぶ境内を彩る牡丹を背景に馬頭夫人の衣装を着た女性の華やかな練供養の姿が期待されている。
同日、これまで3月に本堂で行っていた「着物ショー」も開催し、華やかさに色を添える。同ショーは尺八や和太鼓、琴の雅な音色が響くなか、白無垢や色打掛、引振袖などをまとったモデルが登場。長谷寺にいわれがある昔話を寸劇で披露するなど、国宝の本堂が多くの参拝客で賑わう。
ショーを行うワカナスタイルの森山治恵さんは「花の御寺が持つ魅力を最大限に引き出すのは『日本文化を象徴する着物』だと思っています。着物ショーを開くことで長谷寺さんの魅力をさらに掘り起こせるのではないかと、取り組んでいます」と話している。
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