【観光業界リーダー年頭所感】京都府旅行業協同組合 理事長 森野茂 氏
久しぶりに明るいニュースが飛び込んできました。FIFAワールドカップカタール2022において日本代表チームは優勝候補の強豪ドイツとスペインを破り、グループステージ1位で突破し、決勝トーナメント進出。8強の壁に阻まれたものの日本中が歓喜に包まれました。日本サッカー界の「新しい景色」は4年後に期待することとなりましたが、1ミリの可能性、諦めない気持ち、日本中に勇気と希望、感動を与えてくれる熱い大会となりました。
日本の観光もゼロコロナからウイズコロナへの転換となり、域内旅行から全国規模の旅行支援割引が10月から開始されました。しかし、予約方法や利用方法が都道府県ごとに違い、テレビニュースやメディアの情報から、旅行業者も同時に知り得るということには違和感を覚えましたが、案の定スタート当初から混乱の様相を呈しました。旅行業者への説明や、もう少し使いやすい仕組みが必要ではないかと思われます。
京都府旅行業協同組合としましては事業の大きな柱である岡崎桜回廊十石舟めぐりが3年ぶりに予定通り運航でき、過去最高の乗船効率を達成することができました。もう一つの柱であるクーポン発行高も国内旅行はコロナ前の水準に戻りつつありますが、海外旅行はまだまだ時間がかかるようです。
旅行形態に関しては、このまま元の状態に戻るのではなく違う形で再生されていくことになるでしょう。特に団体旅行の小グループ化に対応できるように、今年もサステナブルを基本に、付加価値をプラスした旅行商品の企画や観光素材の発掘など、私たち中小旅行業者も準備していくことが必要です。組合も関係団体と今まで以上に連携強化を図り、組合員への情報発信は元より研さんを重ねながら新たな旅行サービスを創造していかなければなりません。
コロナで深く落ち込んだ日本経済から脱却し、まずは観光業界から「新しい景色」を見いだせるよう期待するとともに、2023年がより明るい1年になることを祈念いたしまして、年頭のごあいさつにかえさせていただきます。
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