イチから始める観光DX 名刺はデータの宝庫―接点情報を可視化し共有/短期連載シリーズ
今あらゆるシーンで、デジタルトランスフォーメーション(DX)が注目を集めています。我々の業界でも「観光DX」とか「観光DXを進める」などと耳にする機会は大幅に増えました。DXとは本来、デジタル技術を駆使して仕事や暮らしをより良く変革することを意味し、マーケティング支援や業務の効率化などにつなげることらしいのですが、もう一つわかりづらい…。そこで、名刺管理のキャリアプロフィール「Eight」で知られるSansanの全面的な協力を得て観光DXについて学ぶシリーズを始めることにしました。初回は「一から始める観光DX」と題し、Sansanのサービスの活用イメージを紹介します。
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旅館ホテルにおける観光DXを想定してみましょう。例えば、セールス活動などを通じて得た大量の名刺やメールでのやり取り。そこには様々な相手先の情報が詰まっています。その情報をデータ化できたら…と仮定してみましょう。
旅行会社をはじめバスや航空会社、鉄道会社などの運輸機関など、日常的なセールス活動を通じて得られる出会い。そんな一人ひとりの出会いを蓄積することが法人顧客の管理を実現することになります。その上で、どのようなやり取りをしていたかまでをデータベース化していきます。つまり、あらゆる接点情報=社内で培ってきた人脈を可視化することによって顧客データベースが構築できるのです(図1)。

上が図1、下が図2
このデータベースを活用すると、例えば旅館ホテルで実施するイベントや新たな客室・料理プランの紹介といった情報発信をメールやDMを通して容易に行うことが実現します。
また、蓄積した接点情報を基にキーパーソンの把握が社内で共有でき、担当者が速やかにセールス活動につなげられる最適化を図れることはもちろん、全社的な営業戦略の策定につなげられます。データベースを共有、活用することによってセールス活動の生産性向上を促します。
旅館ホテルでは、いわゆる“宿帳”があり、馴染み客やロイヤリティの高い顧客がいらっしゃいます。例えば顧客の嗜好品、もてなしのポイントなどの人物情報、法人顧客担当者の異動情報も共有。全社的に速やかなアクションにつなげることもできます(図2)。
名刺交換やメールのやり取りなどをデータベース化する―それが一から始める観光DXです。その一助になるのが営業DXサービス「Sansan」。名刺管理を超え、顧客との接点から得られる情報を正確にデータ化し接点情報の一元管理を可能にします。100万件以上の企業情報も搭載しており、営業やマーケティング活動にも活用できるというものです。
次回は、Sansanのシステムを導入している京都市下京区のハトヤ瑞鳳閣の事例から観光DXを深掘りします。
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トラベルニュースとSansanでは7月13日、大阪市北区のSansan関西支店で観光DXセミナー(初級編)の開催を予定しています。詳細については弊紙編集部(電話06―4708―6668)までお問い合わせください。
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