【観光業界リーダー年頭所感】日本観光振興協会 全国産業観光推進協議会会長 須田寛 氏
新年あけましておめでとうございます。
年頭にあたり皆様方の益々のご発展、ご健勝を祈念申しあげます。
“観光ブーム”で本紙をはじめ観光関係の記事「真っ盛り」といった感が強いのが昨今です。
しかし「観光」の定義は決定的なものがなく、極論するならば人によって異なるといってもよいほどです。一般に「観光」という場合、何か居住まいを正して観光対象に向かい合う、いわば“ヨソユキ”の「観光」を意味する場合が多いですが、普通、観光の定義は「ある地域の普遍的なもの、美しいもの、乃至は特色を、心を込めて味わうこと」とされます。それにふさわしい自然な「観光」、すなわち日常生活の中で自然に体験する行動と私は理解しています。つまり、普段着の「観光」の体験であると思います。それが、観光対象の美しさや特色を最もよく理解できると考えるからです。そういった条件の下で、観光する心の準備に心がけたいのですが、それが実際問題、なかなか難しく、つい中途半端な気分で対象に接してしまうことが往々にしてあります。
観光を効果的なものにするためには、「観光する心」の準備という前提が整って初めて、観光の効果が得られます。筆者も「観光」に長く関係してきましたが、このような“観光する心”を持って、観光対象に接したとは言えないと、いつも反省しきりの状態です。
観光ブームの年頭にあたり、このような観光対象に接する心の準備を整えることから、今年こそ真の観光をはじめたいと考えています。そして、年末には今年一年の「観光」について、自分の思いを整理して、観光の今後に備えたいと考えています。観光があまりにも普及したため、このような心の準備がなおざりになった反省をもとに、今年の観光は心に残る観光とすべく観光行動を進めたいと思います。
ささやかでも観光が自分の心に残してくれたものを整理することで、今年が私にとって真の観光元年になると確信しています。
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