【観光業界リーダー年頭所感】一般社団法人日本外航客船協会 会長 遠藤弘之 氏
新年あけましておめでとうございます。2024年が皆さまにとって躍進の一年であることを心より祈念いたします。
昨年は感染症の影響も薄れ、国内外の渡航にかかるすべての制限が解除、クルーズ船が本格的に運航再開した年でした。明るい話題が増えてきたことに胸をなでおろした方も多かったのではないでしょうか。
日本では22年11月には国際クルーズに対応したJOPAガイドライン第8版を公表、続く12月には当協会加盟の国内船社による国際クルーズが2年10カ月ぶりに再開されました。外国籍クルーズ船についても、関係団体である日本国際クルーズ協議会(JICC)が感染拡大予防ガイドラインを22年11月に公表、昨年3月には外国船の日本来航が3年ぶりに実現いたしました。その後、外国船の日本寄港が続き、4月からは外国籍クルーズ船による日本発着クルーズも無事に再開いたしました。
その後、日本籍クルーズ船も外国籍クルーズ船も順調に運航を続け、各地でクルーズの安心・安全を印象付けてきました。選択できるクルーズ船の種類もコースも格段に増えた一年だったと言えるでしょう。中には満船のクルーズもあり、また港に出迎えてくださる市民の方も増えました。一時は厳しい状況に置かれたクルーズ業界ですが、昨年は復活の一年となったことに、当協会としても関係各所の皆さまの多大なるご尽力に感謝申しあげます。
昨年は当協会が03年から導入したクルーズアドバイザー認定制度によるクルーズ・コンサルタント認定試験も実施できました。この認定制度はクルーズ商品の販売促進を目的にしたもので、昨年までの合格者数は8799人(累計)に達しました。多彩なクルーズ商品が造成されるいま、クルーズに精通した販売要員はマーケットの拡大に大きく寄与します。当協会は引き続き、クルーズに精通した人材の育成に努め、クルーズ業界の振興・発展のため貢献してまいります。
国際定期旅客船についても国際間の旅客運送は20年3月以降運休しておりましたが、22年11月以降、順次再開し、カメリアライン、関釜フェリー、JR九州高速船、サンスターラインなど日韓航路を運航する旅客運送は各社ともコロナ禍以前とかわらず順調に推移していると伺っております。
24年末には商船三井クルーズから新たな船MITSUI OCEAN FUJI、25年には郵船クルーズが新造船飛鳥・の就航を予定しています。複数隻体制で運航する予定もあり、クルーズ市場の大きな発展が期待されます。当協会として引き続きクルーズ業界の振興に力を注ぎ、クルーズの楽しさを広く伝えられればと考えております。
最後に、当協会はさらなる安全運航を第一に、クルーズ業界の健全な発展、マーケットの拡大を目指して取り組んでいく所存です。
引き続きご支援・ご理解のほどお願い申しあげます。
- 総合満足度は鹿児島県が首位奪取、食・土産は石川県 じゃらん観光国内宿泊旅行調査2024・都道府県魅力度ランキング(24/07/24)
- 宿泊旅行実施率は49・5%、旅行市場稼働が本格化 じゃらん観光国内宿泊旅行調査2024(24/07/23)
- 観光客の行動実態を可視化 ソフトバンクとパシフィックコンサルタンツが開発「全国うごき統計」(2)(24/07/08)
- 観光客の行動実態を可視化 ソフトバンクとパシフィックコンサルタンツが開発「全国うごき統計」(1)(24/07/08)
- 【観光業界リーダー年頭所感】株式会社阪急交通社 代表取締役社長 酒井淳 氏(24/01/27)
- 【観光業界リーダー年頭所感】観光庁 長官 髙橋一郎 氏(24/01/26)
- 【観光業界リーダー年頭所感】近畿日本ツーリスト旅丸会 会長 吉田瑛 氏(24/01/18)