【観光業界リーダー年頭所感】一般財団法人関西観光本部 理事長 松本正義 氏
新春を迎え、謹んで新年のごあいさつを申しあげます。
今年の干支「甲(きのえ)辰(たつ)」には、ものごとが始まり活力旺盛に成長していくという縁起の良い意味があると言われております。昨年は観光が再始動し、国内観光が活況を呈するとともにインバウンドも2019年を上回る水準にまで回復してきました。私ども関西観光本部は、関西唯一の広域連携DMOとして主にインバウンドを対象に、関西の8つの広域観光ルートを「THE EXCITING KANSAI」として情報発信することや「食」、「SDGs」などのテーマツーリズムの造成などを通じて、関西2府8県における広域観光の促進に取り組んでおります。
さて、2025年4月の大阪・関西万博の開幕まで、残すところ1年3カ月となりました。関西では、万博に向けて様々な準備が進められていますが、観光分野においては、昨年3月、「万博会場から地域へ」を旗印に、「EXPO2025関西観光推進協議会」(事務局・関西観光本部)が設立されました。関西の14府県市、鉄道・観光・航空をはじめとする主要な関係企業、関西広域連合や関西経済連合会、政府関係機関や2025年日本国際博覧会協会からなるこの協議会では、現在、観光コンテンツの収集・旅行商品の造成、デジタル・リアルのプロモーション、観光情報ゲートウェイの構築、旅ナカサポートまでを「万博プラス関西観光推進事業」として推進しています。アジア太平洋研究所によれば、大阪・関西万博の経済効果を2兆3759億円と試算し、さらに関西全体をパビリオンに見立てた「拡張万博」とすることで経済効果が4千―5千億円程度上振れするとしています。「万博プラス関西観光推進事業」は、まさに「拡張万博」を追求するものです。
万博会場では多彩なパビリオンや未来を体感できる展示が注目を集めます。そして、来場される方にとっては万博会場とともに地域を巡る観光も大きな魅力です。当本部では「万博プラス関西観光推進事業」を推進することを通じて、万博の経済効果を広く波及させたいと考えています。その成果を万博のレガシーとして、大阪IRの開業なども見据えながらさらに磨き上げ、関西を世界の人々から選ばれるデスティネーションへと押し上げたいと考えています。関係各位におかれましては引き続いての御指導、御協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。
飛躍の辰年にあたり、皆様方のますますのご健勝とご発展を祈念いたします。
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