【観光業界リーダー年頭所感】公益財団法人大阪観光局 会長 福島伸一 氏
新年あけましておめでとうございます。
観光業界において昨年はコロナ禍からの本格的な反転攻勢のスタートイヤーとなりました。国内観光客のみでなく、海外からの観光客も急速な回復を見せ、昨年10月には初めて単月でコロナ前の水準を上回るなど世界中から非常に多くの観光客が日本に訪れています。
このように国際的な往来が活発になるなか、いよいよ来年2025年には大阪・関西万博を迎えます。本年はまさに万博に向けた準備の総仕上げの年となりますので、万博という舞台を、観光振興、地域振興の起爆剤として最大限活用できるよう、取り組んでいきたいと考えています。
大阪観光局では、大阪を「アジアNo.1の国際観光文化都市」にする中長期目標に掲げ、インバウンドを誘致することで外需を取り込みながら、内需も喚起していく戦略を進めています。
具体的には、大阪を関西2府4県のハブ、瀬戸内、北陸などを含む半径2時間圏のハブとして機能させ、現状の関西3空港合わせて約5千万人である集客を、約7千万人を集めるチャンギ空港や仁川空港を抜く水準にまで持っていきたいと考えています。
そのためにも、2030年、2040年に向けて大阪の姿を示し、経済の成長を促すため、観光産業の付加価値を高め、インバウンドでの1人当たり消費額の拡大、中東やインドなど新規マーケットの開拓、観光アプリを活用した観光DXの推進などを図っていきます。そのほかにも食関連のイベントの開催、文化・芸術と観光との連携、プロスポーツ観戦の促進、また受け入れに関しても、LGBTQ、高齢者、障害者などへの対応にも力を入れていきます。富裕層対策としては、日本各地と連携した広域周遊ルートの確立や、海外の顧客が日本の医療、美容などのサービスを受けられる仕組みづくりを行っていきます。
日本の観光にはまだまだ大きな成長の可能性があります。そのチャンスを掴みにいくためにも、日本の観光業の生産性、収益性を高め、そこで働く人々の賃金を上げていくことで、観光業を優秀な人材が集まってくる魅力ある業界に変えていきたいと考えています。官民を挙げて皆様と一緒に精力的に取り組んでいければと思います。
最後に、本年も皆様の益々のご健勝をお祈り申しあげるとともに、さらなるご指導お力添えを賜りますようお願い申しあげます。
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