【観光業界リーダー年頭所感】一般社団法人四国ツーリズム創造機構 代表理事 半井真司 氏
あけましておめでとうございます。年頭にあたり、謹んで新年のごあいさつを申しあげます。また、旧年中、四国を応援いただきました皆様に心より御礼申しあげます。
昨年を振り返りますと、新型コロナが5類に引き下げられ、アジアを結ぶ国際線が相次いで復便、新たなチャーター便も就航し、訪日外国人旅行者が堅調に回復するなど、四国の観光にもようやく明るい光が見えてまいりました。
そうしたなか当機構では「四国の観光ビジョン」で掲げた『四国ブランドの確立』に向けて「大阪・関西万博」を見据え取り組みを進めた一年となりました。
まずは持続可能な観光の推進であります。当機構では一昨年7月に「四国『持続可能な観光』推進ネットワーク」を設立。四国が一体となって持続可能な観光に取り組むことを目指して四国域内でネットワークを拡げながら活動を深化させてきました。昨年10月には国際的な団体が認証する世界の持続可能な観光「TOP100選」に、四国から徳島県三好市、香川県丸亀市、2年連続となる愛媛県大洲市の3地域を選出しました。一昨年に2年連続で選出の香川県小豆島町をあわせて4地域が選出されたことになります。今後、国際的な認知度が向上し、「サスティナブルアイランド四国」としてのブランド化に繋がることが期待されています。
次にアドベンチャートラベルの推進であります。さらなる市場拡大が見込まれるアドベンチャートラベルについては、昨年9月札幌でのアジア初のアドベンチャートラベルワールドサミットに参加し、世界中のATバイヤーとのネットワークを構築いたしました。本年は「万博+観光」ポータルサイトへの四国のアドベンチャートラベルに関連した旅行商品の掲載のほか、国際的に影響力のある海外向けメディアを活用した情報発信なども検討し、四国遍路のスピリチュアルな体験も織り交ぜて魅力を発信し消費額が高いアドベンチャートラベルのさらなる推進を図ってまいります。
また昨年5月に関西観光本部、山陰インバウンド機構、せとうち観光推進機構の4者で、日本で初めて広域連携DMOの「包括連携協定」を締結いたしました。これは歴史的、文化的な繋がりが強い4者が連携し、西日本での広域周遊観光に取り組むことで訪日外国人旅行者の誘客と流動拡大を目的としたものです。引き続き「Greater WEST JAPAN」の実現に向けて連携した強力な訴求力を活かし世界にデスティネーションとしての西日本をアピールしながら関西国際空港からの誘客促進、JR周遊パスや高速道路の乗り放題キャンペーン、周遊モデルコースなど広域観光の一体的な発信などを進めてまいります。
そのほか観光DXの推進として昨年1月に四国誘客に必要なマーケティングデータを蓄積、可視化できる「データ・マネジメント・プラットフォーム」(DMP)の運用を開始しました。DMPで可視化したデータなどを駆使しマーケティング能力の底上げにも繋げたいと考えており四国域内のDMO、観光事業者、自治体などでのさらなる利活用を目指します。
そして、大阪・関西万博の1年前となる本年は旅マエのプロモーションを中心に事業を数多く展開し、四国ブランドの確立と内外からの誘客に向けてさらに取り組み、実りある成果を出す年にしたいと考えております。
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