【観光業界リーダー年頭所感】株式会社エイチ・アイ・エス 代表取締役社長 矢田素史 氏
謹んで新年のごあいさつを申しあげます。
2023年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症によって長く続いていた行動制限・水際対策が撤廃され、観光での国際交流が再始動する転換期となりました。諸外国で先行して活発化していたレジャーの旅先として、再び日本を選んでいただけるようになり、インバウンドはいち早くコロナ前水準に回復しました。日本市場におけるアウトバウンドにおいても、お客様に安心してご旅行いただける環境が整ったことは、観光業の正常化に向けて大きな前進でありました。しかしながら、世界的な高インフレに歴史的な円安、イスラエルでの武力衝突など、経済や社会情勢は依然として不安が残り、アウトバウンドの回復は他国と比べて緩やかな傾向にあります。今後の双方における市場の安定的な供給を考えれば、航空座席におけるインバウンドとアウトバウンドのバランスは重要であり、日本市場におけるアウトバウンドの活性化は、国際的な相互理解の促進を図るためにも必須事項となっております。この課題に対し、関係各所の皆様とともに全力で取り組む所存であります。
弊社は、2030年に創業50周年を迎えるにあたり、Vision2030「挑戦心あふれ 世界をつなぎ 選ばれ続ける企業に Change & Create」の策定とともに、3カ年の中期経営計画を発表いたしました。創業の原点である「挑戦」を応援・支援し、社会とともに成長し、よりよい未来を創造していくという、弊社の目指す姿を明確化させ、持続的な成長を実現するため、パーパスである“「心躍る」を解き放つ”価値の創出に向けたアクションプランを取りまとめました。その中の一つに、「Life Time Value(顧客生涯価値)の最大化」がございます。弊社が提供するサービスを通じて、日常生活や人生の様々な場面においてつながりを増やすことで、お客様一人ひとりに適するサービスのご提供と、顧客体験・満足度の向上につなげ、社会から選ばれ続ける企業となることを「ありたき姿」として邁進していきたいと考えております。
AI技術の発展や環境保全の対応など、世界における価値観は大きく変革しております。我々、旅行業界においても早急な対応が求められており、強い危機感を持ち向き合う必要があります。少子高齢化に伴う人材不足など、業界内外でも常態化している課題の解決策を講じるためのデジタル活用や、人や地域との繋がり、健全な地球環境を維持することにより、人々が「心躍る」社会を次世代につないでいきたいと考えております。
本年も皆様方のHISグループへのご支援、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願いいたします。
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