花巻の宝を「通い神楽」で継承(1) 世界遺産指定の「早池峰大償神楽」を商品化
花巻温泉は、岩手県花巻市の宝であり500年以上の伝統を持つ、2009年にユネスコ無形文化遺産に登録された「早池峰大償(おおつぐない)神楽」の持続的な伝承につなげる持続可能なインバウンド向けコンテンツ造成事業に取り組んでいる。観光庁の補助事業の一環として行われ、産官学が事業に参画。人口減で存続の危機にある神楽を「通い」をキーワードに、再構築モデルの確立や公演鑑賞だけでない商品化、国内外からの誘客拡大で課題解決につなげる。今回は事業の概要や、国内外向けに販売した旅行商品の成果などを紹介する。
観光庁・インバウンドの地方誘客や消費拡大に向けた観光コンテンツ造成支援事業活用
同事業は、花巻市と慶應義塾大学SFC研究所の連携による「花巻市地域おこし研究所」や、大償神楽保存会、花巻観光協会、JR東日本盛岡支社、JR東日本びゅうツーリズム&セールス(VTS)、創造旅行社(台湾)、慶應義塾大学SFC研究所、観光産業メディア「ツーリズムメディアサービス」を運営するツーリンクス、トラベルニュース社が連携して実施。
事業では、花巻市の民俗芸能で、ユネスコ無形文化遺産である「早池峰(はやちね)神楽/大償神楽」の観光コンテンツ化や、民俗芸能の存続、後継者の育成を行う神楽体験ツアーの造成などを行っている。
旅行商品は、花巻市地域おこし研究所が研究開発した民俗芸能の新たな演者確保の形である集落外から通い大償神楽の習得・演者確保を目指す「通い神楽」の概念を商品化し、個人プラン、団体ツアーを用意した。
本事業は、観光庁が23年度に行う「インバウンドの地方誘客や消費拡大に向けた観光コンテンツ造成支援事業」の一環として実施している。
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