【観光業界リーダー年頭所感】西日本旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 長谷川一明 氏
年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
平素よりJR西日本グループに格別のご高配を賜り、厚く御礼を申し上げます。
昨年は、未来への羅針盤となる「私たちの志」を掲げ、10年後のありたい姿である「JR西日本グループ長期ビジョン2032(以下、長期ビジョン)」の実現に向けて、その実行計画である「JR西日本グループ中期経営計画2025(以下、中期経営計画)」に取り組み始めた年でした。
最重要課題である鉄道の安全性向上については「JR西日本グループ鉄道安全考動計画2027」を策定し、安全性の維持・向上に向けたハード整備も行いました。
また、大阪駅(うめきたエリア)開業や奈良線複線化などの大規模プロジェクトを完遂するとともに、グループ共通ポイントである「WESTERポイント」や「モバイルICOCA」のサービス開始など、デジタル戦略の推進による顧客体験の再構築を進めてまいりました。
旅行機運上昇・インバウンドの回復という機会を捉えた需要の取り込みや、構造改革による生産性向上など、これまでの取り組みが実を結び、中間期において、計画を上回る業績を達成することができました。
2024年は、「ポストコロナへの挑戦」を掲げた3か年の中期経営計画の折り返し点となります。「私たちの志」や長期ビジョンの実現に向けた戦略をより具体化し、「ポストコロナへの挑戦」を加速していく1年にしていきます。
安全が当社グループの経営の根幹であり、「福知山線列車事故のような事故を二度と発生させない」という確固たる決意のもと、被害に遭われた方々へ真摯な対応を行っていくとともに、さらなる安全性向上に取り組んでいきます。
「私たちの志」に掲げる「心を動かし、未来を動かす」企業グループへと進化するためには、徹底した顧客視点とその実行が重要です。各経営単位で顧客起点の取り組みを深めるとともに、1月1日に新設したマーケティング本部を中心にグループシナジーをさらに発揮することで、中期経営計画を確実に推進していきます。
当社グループを取り巻く経営環境に目を向けると、労働力不足や物価上昇、革新的技術の誕生など、想定を上回る変化が続くと考えています。
このような環境下では、自ら変化を人財が何より重要です。価値創造の源泉は人財であり、「自ら変化を創り出す組織集団」へと進化すべく、社員の自発的なキャリア形成支援、ダイバーシティ&インクルージョン、ワークエンゲージメントの向上に取り組んでいきます。
北陸新幹線金沢―敦賀間開業や大阪駅西地区の開業、2025年度の大阪・関西万博に向けた準備など、「私たちの志」に掲げる「人、まち、社会のつながりを進化」させるチャンスは広がっています。共に働く仲間や様々なパートナーとともに、心が動くよりよい未来を創り上げていきます。
皆様方のご健勝をお祈り申し上げ、ご挨拶といたします。
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