【観光業界リーダー年頭所感】四国旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 西牧世博 氏
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
平素よりJR四国グループに対しまして格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
昨年は、経済活動の正常化の動きが継続する一方で、資源価格の高騰など、経営環境は不透明な状況が続くなか、中期経営計画2025の折り返しとして、2025年度の目標達成に向けて反転攻勢を図る年度と位置づけ、「鉄道事業における収益拡大施策の推進」「構造改革の加速」「非鉄道事業における最大限の収益拡大」を重点実施項目として取り組みました。
鉄道事業では、スマートフォンできっぷが購入できるチケットアプリ「しこくスマートえきちゃん」の販売対象券種を拡大し、乗車券や定期券等の購入を可能にするなど、より便利にきっぷを購入いただけるようになりました。四国外からの誘客や四国内の流動拡大に向けては、瀬戸大橋線開業35周年キャンペーンやアンパンマン列車ご乗車100万人達成イベントの実施、NHK連続テレビ小説「らんまん」放映、弘法大師御誕生1250年を契機とした営業施策を展開しました。このほか、四国内空港の国際便の再開にあわせ、インバウンド需要の獲得に取り組みました。また、27年ぶりとなる運賃改定を実施し、お客様にも一定のご負担をお願いしました。今後とも四国における基幹的公共輸送機関としての使命を果たすため、経営努力を続けてまいりますので、ご理解賜ればと存じます。非鉄道事業においては、高松駅ビル「TAKAMATSU ORNE」の開業に向けた準備、地域活性化ファンド「四国・リレーションシップファンド」の設立等、将来の収益源の確保に向けた施策に取り組みました。
本年は、中期経営計画2025の4年目として、目標達成を確実にするべく経営改善に全力を傾注してまいります。
鉄道事業では、JR松山駅付近連続立体交差事業に伴う新松山駅の開業及び、松山―岡山・高松間を運転する特急しおかぜ・いしづち「8000系特急形電車」のリニューアル編成の増備、ハイブリッド式ローカル気動車の開発といった、お客様により快適にご利用いただける施策を実施し、「安心して」「喜んで」「末永く」ご利用いただけるサービスの提供に努めてまいります。また、旅行需要の拡大に向け、四国の魅力を全国に発信していくとともに、四国内のイベントや行事と連携した商品造成に取り組むほか、更なる拡大が見込まれるインバウンドについては、関係機関等との連携を強化し効果的なプロモーションを展開することで、より多くのお客様をおもてなしできるよう取り組みます。このほか、省力化・省人化による生産性向上についても、引き続き取組みを進めてまいります。
非鉄道事業では、高松駅ビル「TAKAMATSU ORNE」、新松山駅の高架下商業施設を開業し、ターミナル駅周辺のにぎわいづくりに貢献してまいります。近くにお越しの際はぜひご利用いただければと思います。このほか「新しい領域」へのチャレンジとして、引き続きM&A戦略を推進するとともに、「四国・リレーションシップファンド」により、四国地域の活性化に資する企業への投資を行うなど投資先企業の成長を支援するほか、「新時代」創造プロジェクトで募集したアイデアの早期事業化を目指します。
また、地域の様々な関係者との連携や働きかけによって、駅を中心としたまちづくりとの連携、交通モード間の利便性向上・連携強化、交通結節機能の強化、駅舎や駅周辺環境整備によるご利用者の利便性・快適性向上といった取組みを継続し、「公共交通ネットワークの四国モデル」を追求していきます。
当社グループと四国は運命共同体という認識のもと、交流人口の拡大と地域の発展に貢献する企業グループを目指してまいります。
今後とも、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
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