【観光業界リーダー年頭所感】全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会 シルバースター部会部会長 渡邊幾雄 氏
2024年の新年を迎え謹んで新年のごあいさつを申しあげます。
海外からの入国者数の上限が撤廃され、新型コロナウイルス感染症に対するまん延防止等重点措置の解除、新型コロナ感染症の5類への引き下げとなったほか、全国旅行支援や一部県民割の継続に続き、訪日外国人客は個人・団体旅行客も円安の影響も追い風となり急速な回復傾向にあり、6月には200万人超え、円安も加わり251万人と大幅に増加し、コロナ前の同月を上回るなど、今後とも訪日客は伸びが見込まれており観光業、宿泊業界とも回復傾向にあり明るさが見えてまいりました。
しかしながら、円高による原材料、ガソリン、電気料の高騰人手不足など旅館業界の経営環境は一段と厳しくなっています。特に人手不足は、旅館経営に危機的な状況をもたらす恐れがあります。
また、12月13日に旅館業法が改正され、ホテルや旅館の営業者は迷惑行為を行う人の宿泊拒否や特定感染症のまん延防止に向けた協力要請を宿泊者らに行えるようになりました。厚生労働省はこのほど法律を適切に運用するための営業者向けの指針を公表しました。業界としては一歩前進です。
シルバースター部会は高齢者社会を迎えるにあたり家族やグループ旅行に対応し、高齢者が利用しやすい旅館・ホテルを整備する必要があることから厚生労働省ならびに関係機関の協力を得て全旅連が認定登録する制度です。
昨年の事業内容として会員施設の拡大事業、登録施設を広くPRするために宿泊者を対象としたキャンペーンなどの実施。SDGsに対応した食品ロス対策について調査し「旅館ホテルにおける食品ロス対策マニュアル」を作成し登録施設に配布しました。さらに今年度はインターネット集客事業の推進、バリアフリー化の促進、「人に優しい地域の宿づくり賞」のエントリーの推進、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の周知、浴場管理及び施設衛生管理の徹底に取り組んでまいりたいと考えております。
楽天トラベル協賛によるインターネットの集客事業も売上高が数億円規模の事業に発展しました。さらに事業の拡大、会員施設の売り上げアップに貢献してまいりたいと思います。
旅館業界は新コロナウイルス感染症の大きな試練を乗り越えてきました。
これからは宿泊業界の新しい価値観の創造に向けての取り組みが重要となってきます。
本年が皆様にとって飛躍の年になることを祈念し新年のごあいさつといたします。
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