【観光業界リーダー年頭所感】日本旅館協定旅館ホテル連盟 関西支部連合会会長 金子博美 氏
謹んで新年のごあいさつを申しあげます。平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申しあげます。
昨年は、3年間翻弄されたコロナ禍に終止符を打つことができ、特に5類になった5月連休明けからは、インバウンドのお客様がけん引し、関西も京都・大阪を中心ににぎわいを取り戻しました。懸案であった団体旅行も、リアルのコミュニケーションを取り戻すべく、徐々に戻りつつあります。
一方、世界に目を向けると、ウクライナ侵攻は収まる気配はなく、新たにパレスチナで火種が発生し、我々の業界の平和と安寧は落ち着く様相を見せません。
さまざまな要因による物価の高騰は、消費者の購買、消費意欲を削ぎますし、我々の足元においても、人材不足や燃料・原価の高騰に頭を悩ませます。会員の皆様におかれては、そのような環境に負けず、知恵と工夫をしぼり、社員の協力のもと、お客様にご満足いただける安定したサービス提供に全力を挙げて取り組んでいただいております。その努力に改めて敬意を表します。
11月には、日本旅行の事業で欧州(スペイン)で行われた商談会に参加しました。スペインの人々は、日本に非常に興味や関心を持たれていました。また、街ではコロナ禍前のように観光客も生活者も普通にショッピングをし、お食事やお酒そして会話を楽しんでおられました。
特に、欧米を中心に観光客がたくさん来られていましたが、観光地では受け入れが整備されていました。例えば美術館だけでなく教会などの入場もウェブで事前決済での入場管理がされ、待ち時間はほとんどなく、アルハンブラ宮殿では、日本から事前申し込み、抽選制なっており、オーバーツーリズムにならない配慮がされていました。
今年も大谷翔平さんやバスケットの渡辺、八村選手、サッカー日本代表のほとんどの選手が欧米で活躍され、とりわけ女子ゴルフの若い選手がアメリカを主戦場に挑戦する姿は、素晴らしく明るい前向きになれるニュースでした。日本のプロ野球の阪神、オリックスの優勝は関西に活気を一気に取り戻す明るいニュースになりましたし、今年はパリオリンピックが開催されます。さらなる活躍を期待しています。
そのような勢いを観光業にもつなげて、目的地に私どもが選ばれるよう知恵を絞り行動を起こしましょう。またインバウンドも一部の地域にとどまらず、広域に誘導できるような提案を積極的に行いましょう。
また、2025年大阪・関西万博にはJR大阪ディスティネーションキャンペーンが重なり、京都・大阪・神戸を中心に新しいホテルが建ち、ウメキタエリアのインフラ整備の工事は着々と進んでいます。春には北陸新幹線が敦賀延伸され、新しい需要が創造できる機会が増えます。
関西の魅力は国内に留まらず海外からも大きな評価をいただいています。さらにそれらに磨きをかけて、普段から質の高いサービスを提供し、そのブランド力に磨きをかけていきましょう。
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