【観光業界リーダー年頭所感】京都府旅行業協同組合 理事長 森野茂 氏
年末恒例の2024年流行語大賞に「ふてほど」が選ばれたという話題がありましたね。恥ずかしながら私自身、初めて聞くワードでした。この言葉が民放のテレビドラマ「不適切にもほどがある!」からきているというのは驚きでした。ドラマの内容が、現代のコンプライアンス社会で不適切な言動に対する警鐘を鳴らすものであるということが、この言葉に込められた深い意味を感じさせます。1年遅れですが、このドラマを観てみたいと思います。
また旅行業界においては、流行語ではないですが、昨年はインバウンドとオーバーツーリズムが大きなテーマとなりました。訪日外国人数が史上最速で3千万人突破というのは確かに驚異的な数字で、中国人のビザ免除再開などもあり、今後さらに増える可能性が高いと予想されています。オーバーツーリズム対策として、郊外観光地と時間の分散化や地方活性化が求められていますが、依然として人材不足が深刻な問題となっている点が課題です。
そして、いよいよ大阪万博の開催も目前に迫っていますが、チケットの売れ行きが伸び悩んでいる現状は、旅行業界全体でのさらなる盛り上げが必要だということを痛感させられます。
一方、京旅協の主力事業であるクーポン事業についてはコロナ以降、団体旅行から小グループへ旅行形態の変化に対応できず厳しい状況が続いています。ただインバウンドの影響で、岡崎桜回廊十石舟めぐりや行政との連携事業が好調というのは明るい材料となっています。
以上のことを踏まえ今年の流行にもアンテナを張り、富裕層向けの高付加価値商品や新しい観光素材の開発、組合員である旅行業者同士の連携強化や新たなサービスの創造にまい進するべく勉強会や研修旅行などこれからも積極的に取り組んでいこうと考えています。
最後に、2026年に向けて本年も旅行業界がさらに充実し、明るいニュースを届けられるように、皆様と共に努力していきたいと思います。
新しい一年が素晴らしいものとなることを心より祈っています。
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